「朝型人間は仕事ができる」の怪しすぎる根拠 成果との相関関係をしっかり見極めるべきだ

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自主的に早起きすることはなかなかできないものですよね(写真:freeangle / PIXTA)

仕事は朝型にすることで効率化が図れて成果が出る……と言われます。確かにアップル元CEOのスティーブ・ジョブズ氏やスターバックスのCEOであるハワード・ショルツ氏は朝型で有名ですし、日本の経営者、ビジネスパーソンでもそれで成功したと断言する人がたくさんいます。

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筆者も早朝(朝8時くらい)の打ち合わせに行ったら、「すでに一仕事が終わった後」と語る朝型の人に何回も会ったことがあります。では、何時から仕事をしているのか? その1人であるコンサルティング会社に勤務しているDさんに訊ねてみると、

「朝5時過ぎから仕事をしている」

との答えが返ってきました。自宅から始発で出勤しているようです。そんなDさんの影響で、社内でも朝型勤務が推奨され、実は周囲が大いに迷惑しているとの声も聞こえてきました。どのようなことが起きているのでしょうか?

3時半起床のルーティーン

Dさんは、朝活という言葉が広まる前から10年以上も朝5時台の始業を実行してきました。まさに朝活のレジェンドといえる存在。そんなDさんの日常とは

・毎朝3時半に起床
・自宅周辺を軽くランニング
・5時過ぎに出社

通常の社員が出勤してくる9時までにメールチェックから情報収集、提案書の作成などの作業まで終わらせてしまいます。そして、9時以降は通常の会議や打ち合わせ、顧客の訪問などを行い、17時には退社。自宅に帰って21時までに就寝するスケジュールを基本にしています。

最近は「朝活」という言葉の認知度が高まり、生産性の向上につながるとの発想から、早朝出勤をする人が増えています。ただ、Dさんの職場で5時台に出社する人はいません。6時台でも数名の社員が出勤してくるくらい。大半は始業時間の30分前に出勤してきます。朝活で出勤が早まっているといわれていますが、これが実情ではないでしょうか?

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