夜型人間の居場所がない
──今回あえて、夜型の魅力を前面に出して取り上げられたのは?
朝型生活にシフトせよとか、朝の勉強がいいという本はあるけれど、私自身それができたことがない。早起きすると一日調子が悪いんです。「朝は生産性が高い」という看板を掲げている人は大勢おられますが、朝型・昼型・夜型、自分の得意な型で過ごせればいちばん幸せなんじゃないか。自分のゴールデンタイムをどう充実して過ごせるか。いちばん力を発揮できる時間帯に集中して生産し結果を残す。これがベストだと思う。なのに朝型万歳の風潮が広まりすぎて、夜型人間の居場所がない。それで夜型を応援する本を書きました。
──昼間、冴えた頭でわからないことも、夜は「何となく感じられる」という部分に共感します。
「浸る」という感覚が大事だと私は思うんです。夜はひたすら何かに浸らせてくれる。文字どおり液体のように緩んでじっくり味わえる感覚。昼間は人に会ったり、次から次へ用事をこなさなきゃいけないので、浸れない。効率よく手早く段取りよく進めるのが昼間の仕事で、夜は効率は求めず自分と向き合い、考えを深め、教養を身に付ける。じっくり自分の世界に浸れるのが夜のよさです。
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