ベイスターズが「野球普及」に全力を注ぐ意味

球団としての野球離れへの危機意識は強い

NPBの『ベースボール型授業研究会』にも参加している、と話した畠山は12球団の中での温度差も感じているという。多くの球団は普及活動を行っているが、どこまでやったらいいかという程度がわからないためだ。

「東京大学野球部の浜田一志監督とは、同じ1964年生まれで、僕が池田高校、彼が土佐高校の選手だった時代からの友人です。先日、東京六大学とNPBは、東大球場で小学校の低学年を対象にした『東大球場スポーツデー』を行いました。アマ野球とプロが一緒に普及活動をしたのは初めてでしたが、これは浜田君と僕が野球の普及について話し合ったのがきっかけでした。

野球の普及にプロもアマもないんです。一緒にやればいいと思う。やろうと思えばもっともっと広がるでしょう。

今年は幼稚園、保育所100カ所、小学校100カ所の計200カ所回るのを目標にしていますが、横浜市内だけでも900を超える幼稚園、保育所がありますから、まだまだ網羅していません。

園側の受け止め方もさまざまですが、園の行事にしていただき、保護者が見学に来るところもあります。野球や球団のPRになっていると思いますし、ベイスターズファンを増やすうえでもありがたいですね」と畠山は語った。

野球人気が高いうちに取り組みを推進したい

こうした横浜DeNAベイスターズの野球普及活動、地域貢献活動を企画、立案、推進しているのは野球振興・スクール事業部の會澤裕頼部長だ。

野球振興・スクール事業部の會澤裕頼部長(筆者撮影)

「私たちは『野球離れ』を深刻に受け止めています。まず、この状態を放置していると野球界の魅力が弱くなると危惧しています。

野球は長嶋茂雄、王貞治、イチロー、大谷翔平と日本を代表するフィジカルエリートが次々と登場して、スーパースターとして活躍し、人気を集めました。しかしフィジカルエリートが他のスポーツに行って、運動が得意ではない子どものスポーツになってしまうと、野球の魅力は半減してしまいます。

しかし、一方でベイスターズのファンは増えているんです。横浜の街を歩いていると、野球ブームになっているように感じます。だから危機感が見えてこない。このままやっていけばいいよね、と思っている人もいます。温度差があるんです。でも、野球人気があるうちに、野球人口が減ることで何が起こるかをしっかり考えるべきだと思います」

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