ベイスターズが「野球普及」に全力を注ぐ意味 球団としての野球離れへの危機意識は強い

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DB.スターマンカップの様子(写真;横浜DeNAベイスターズ提供)

「私たちの訪問は、野球の普及活動ですが、同時にベイスターズのPR活動でもあります。パフォーマンスチームのdianaを参加させているのは、そういう意味もあります。

これまで男の子だけにやってきた活動ですが、現在は女の子にも楽しんでほしいと思っています。dianaを見て、ダンスをしたいと思ってくれることが大事ですね。そしてスタジアムに来て、あんな女の子になりたいとあこがれてほしい。

チアスクールも運営していますが、こちらも大人気です。dianaたちがインストラクターをやっているチアスクールでダンスを学ぶことで、その子たちがベイスターズや野球に帰属意識を持ってくれる。そして彼女たちが10年後20年後、子どもを持つことがあれば、ベイスターズの試合に行こう、と言ってくれることを期待しています。

チアチームやパフォーマンスチームを活用している球団は他にもありますが、野球とダンスを一体化させているところは珍しいのではないのでしょうか。

そして、野球界では女子の競技人口も増えています。チアスクールに通っていた子が野球を始めたり、少年野球でも女子がキャプテンをやっているケースが増えています。女の子も野球をプレーすることを楽しんでくれたら、と思っています」(會澤裕頼部長)

横浜DeNAベイスターズが全体で取り組む課題

畠山準、鈴木尚典、川村丈夫、島田直也とプロで実績を残した人が普及活動を担当していることも特徴だろう。かれらのような実績を残し、父母世代に知名度のある人の影響力は大きい。

現役選手の意識も大きく変化してきている。

「筒香嘉智選手も、野球人口減少への危機感を持っており、意識も高いです。筒香選手は日ごろから『野球は楽しくやらないと』と言います。チームのスター選手がそう言っているのに、私たちが子どもたちを怒鳴って野球をやらせるわけにはいきません。私たちのジュニアチームは2年前に日本一になりましたが、そのときも子どもたちの能力を信じて、のびのびと野球をやってもらいました」(會澤裕頼部長)

惜しくも今シーズンのベイスターズはクライマックスシリーズの出場を逃し、3年ぶりのBクラス転落となった。本拠地横浜スタジアムの観客動員数は球団史上初の200万人を突破した。

勝利も重要だが、球団PRや観客動員の増加、野球の普及活動も、横浜DeNAベイスターズが全体で取り組む課題だ。今後の活動からも目が離せない。

(文中一部敬称略)

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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