あの情報誌「ぴあ」は、アプリで復活できるか いまエンタメ界に求められる偶然の出会い

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“物は試し”ということで、早速「アプリ版ぴあ」を開いてみた。見慣れた「ぴあ」のロゴに続いて登場するのは、あの懐かしい及川正通氏のイラストが描かれた表紙だ。時代を象徴する人物をクローズアップするスタンスは、アプリになっても変わらない。

“現代の浮世絵師”と称される及川氏のイラストを目にするだけでも懐かしさはひとしおだ。などと感傷に浸っている場合ではないので先へ進もう。

充実した情報量はまさに「ぴあ」ならでは

この「アプリ版ぴあ」の中での対象ジャンルは、「映画」「ステージ」「音楽」「クラシック」「アート」「レジャー&フェスタ」の6ジャンル。

(キャプチャー:筆者提供、画像:Naoakii/PIXTA)

このあたりの設定からも、かつてのぴあ読者やその世代感を強く意識した編集方針がうかがえる。「クラシック」が音楽から独立した単独ジャンルとして設定されているあたりも、我々クラシックファンにとっては嬉しい限りだ。そのページ構成は、大きく分けて「ニュース&トピックス」「公演開催情報」&「連載記事」に分けられている。

情報誌としての柱である「公演開催情報」は、かつての「ぴあ」同様、掲載されている公演がすべて同じサイズで扱われていることが懐かしい。大きな違いと言えば、たとえばクラシックジャンルのほぼすべての公演に、チラシ画像が添付されていることだ(他ジャンルの場合はそれぞれの関連画像が添付されている)。

これは情報を得るうえで便利この上ない。さらには、各公演の詳細な情報もすべて掲載できるのは、文字数制限のないアプリ版ならでは。検索機能が付いていて、キーワードを入れると関連イベントをすぐに探すことができるのもとても便利。

イベントを自ら選べない人や話題の公演を知りたい人のために用意されているのが「水先案内人」だ。評論家や専門家をはじめとしたエンタメの目利き&ツウで構成される「水先案内人」による「いま体験すべき1本」は、イベント選びの手引きになるばかりでなく、それ自体が読み物として面白い。「水先案内人」の“おすすめ”が重なるイベントにはきっとそれなりの理由があるはずだ、などと思いつつ情報検索してみるのも悪くない。

読み物といえば、各界の著名人・文化人・第一線で活躍中のミュージシャンや俳優など、バラエティに富んだ人選による“ここでしか読めない連載企画”も見逃せない。

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