2011年に惜しまれながら休刊した情報誌「ぴあ」が、先頃アプリで復活したことをご存じだろうか。
エンターテインメント情報誌の草分け的存在として1972年7月10日に創刊された「ぴあ」は、当時東京で高校・大学生活を過ごした多くの若者たちからの圧倒的な支持を受け、パソコンもネットもない時代における“東京歩きのための必携ガイド”となったのだ。
そのヒットポイントは、「メジャーな情報もマイナーな情報も均一に扱い、思想性、批判性は排除する」という創刊以来の編集方針とともに、映画、演劇、音楽等のジャンルをすべて扱う“情報の網羅性と俯瞰性”にあったと言えそうだ。
ピーク時の1980年代後半には発行部数50万部以上を記録し、2007年には、長く「ぴあ」の表紙を描き続けたイラストレーター及川正通氏が「表紙イラスト最長記録」でギネスブックに認定されるなど、情報誌「ぴあ」は、ある年齢以上の人たちにとって忘れられない存在となっているはずだ。そのあたりの詳細については、掛尾良夫著(『「ぴあ」の時代』)に詳しく記されている。
その「ぴあ」が復活したとなればこれは気になる。
情報は“買う”時代から“無料検索”の時代へ
パソコンやネットの普及によって、情報は“買う”時代から“無料で検索する”時代へと移行して久しい。そのような時代において、「ぴあ」が選択した復活の方法とはどのようなものなのだろう。
その答えは「アプリ」だった。スマートフォン万能の時代へと突入した現代において、人々の“必携ガイド”はまさしくスマートフォン。その活用の中心となるアプリ機能を通じて情報誌「ぴあ」を復活させる手法はとても合理的に感じられる。「アプリ版ぴあ」は、手軽さと扱いやすさにおいて、かつての紙媒体「ぴあ」に通じる機能を持つと同時に、情報の網羅性や連動性、さらにはネット最大の特徴である速報性といった意味においては、紙の時代をはるかに凌駕している。
しかも無料の「ぴあアプリ」をダウンロードさえすれば、現在提供されいる機能がすべて無料で利用・閲覧できるのだからこれは嬉しい。まさに21世紀型の「ぴあ」誕生と言えそうだ。
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