2018年8月25日は、レナード・バーンスタイン(1918-1990)の生誕100周年記念日だ。没後100年を迎えたドビュッシー(1862-1918)と共に、2018年のクラシック界の顔であるバーンスタインは、作曲家、指揮者&教育者として20世紀のクラシック界に大きな足跡を遺した人物だ。
指揮者としてのバーンスタインは、“楽壇の帝王”ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)と並び称されるスーパースターとしてクラシック界を席巻した。指揮台の上で躍動するエネルギッシュな指揮ぶりと親しみやすい人柄は、クールでエレガントな完璧主義者カラヤンとはまさに好対照。「レニー」の愛称で呼ばれながら、多くのファンに愛されていた姿が思い出される。
一方、作曲家バーンスタインの実績もすばらしい。クラシックにさほど興味のない方でも、ミュージカル&映画『ウエスト・サイド・ストーリー』の名は聞いたことがあるのではないだろうか。シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の舞台を1950年代のニューヨークに置き換えた大ヒットミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」の音楽は、バーンスタインの代表作だ。
豊かな人間関係に満ちたその人生
バーンスタインの生涯は実に豊かな人間関係に満ちたものだった。
小説「星の王子さま」で名高いサン=テグジュペリ(1900-1944)による「人間にとっての真の贅沢とは、人間関係における贅沢だ」という言葉がそのまま当てはまりそうなバーンスタインとはいったい何者だったのだろう。人懐こい性格ゆえに、多くの人々との間にすばらしい人間関係を築きあげ、輝かしい才能ゆえに、さまざまな人物からの手厚い援助を受けてきたバーンスタインは、これらのチャンスを糧としながら20世紀を代表する音楽家へと登りつめていったのだ。
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