生誕100年、バーンスタインの凄すぎる生涯

大物音楽家たちがその才能に惚れ込んだ

人とのコミュニケーションは人生において不可欠だが、バーンスタインの場合は、その相手となる人物が半端ではない。まさに音楽史に名を刻む大物たちがこぞってバーンスタインに手を差し伸べているのだ。

その筆頭に挙げられるのが、四半世紀にわたってボストン交響楽団に君臨し、同オケの黄金期を築き上げた指揮者セルゲイ・クーセヴィツキー(1874-1951)だろう。

バーンスタインと20世紀音楽を語るうえで不可欠なこの人物について、少し長くなるがお付き合いいただきたい。

大枚をはたいたクーセヴィツキー

ロシアのヴィシニ=ヴォロチェクに生まれたクーセヴィツキーは、モスクワ音楽院でコントラバスを専攻し、卒業後はコントラバスのヴィルトゥオーゾとして活躍。その後指揮者を志すのだが、夢を実現するまでの過程が凄まじい。

彼の2人目の妻となったナタリヤ・ウシュコフが大富豪の娘であったことから、1908年に天下のベルリン・フィルを自費で雇って指揮者デビューを果たすと、その後もロンドン、ウィーン&パリや、母国ロシアにおいて演奏活動を展開し、指揮者としての地位を確実に築き上げていったのだ。ロシア革命から逃れてパリに亡命した後も膨大な資産を活かしてオーケストラを組織し、「コンセール・クーセヴィツキー」と称するコンサートシリーズを開催する。

ここで注目したいのは、同時代の作曲家たちに次々と作品を委嘱しては初演を行ったことだ。このシリーズの中からは、ラヴェル(1875-1937)編曲によるムソルグスキー「展覧会の絵」や、プロコフィエフ(1891-1953)の「ヴァイオリン協奏曲第1番」など、クラシック史上にその名を刻む名作が生まれたのだから価値が高い。

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