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生誕100年、バーンスタインの凄すぎる生涯 大物音楽家たちがその才能に惚れ込んだ

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  • 田中 泰 日本クラシックソムリエ協会 代表理事
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バーンスタインに手を差し伸べた存在としてもうひとり忘れられない存在が、“マドモワゼル”の愛称で親しまれたフランスの音楽教師ナディア・ブーランジェ(1887-1979)だ。

ストラヴィンスキーやラヴェルと交流し、夭逝の天才ピアニスト、ディヌ・リパッティ(1917-1950)や、20世紀アメリカを代表する作曲家アーロン・コープランド(1900-1990)、さらには洋楽界の生きる伝説クインシー・ジョーンズ(1933-)など錚々たる才能を育成した名教師ブーランジェにとっても、バーンスタインは特別な弟子の1人だったのだろう。

惜しみない愛と教養を注いでくれた“マドモアゼル”に宛てたバーンスタインの手紙には「あなたから受けたすべての恩義は決してお返しできないほどです」と書かれている。

下品なまでの快楽主義者、夢見るヒューマニスト…

「私の人生にとって大切なものは2つある。それは音楽と人生だ。どちらが好きかと聞かれても答えられないね」。これはバーンスタインが自分について語った言葉だ。まさに音楽と人生を愛したバーンスタインならではの一言だ。

それにしてもバーンスタインとはいったい何者だったのだろう。この質問にふさわしい答えとして、『偉大なる指揮者たち』の著者クリスチャン・メルランの文章を引用しておきたい。

曰く「バーンスタインは、何事にも過剰で旺盛なエネルギーがみなぎっていた。下品なまでの快楽主義者、普遍的教養を身につけた知識人、カリスマ的指揮者、有名作曲家、熱血教育家、夢見るヒューマニスト、自己破壊にいたるほどの享楽家、マルチリンガルの世界市民。バーンスタインには、聖書の登場人物を思い起こさせるような何かがあった」。

人を愛し愛され、“手を差し伸べられることの意味と意義”を知っていたバーンスタインだからこそ、多くの人々が彼を慕ったに違いない。

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