「いつも忙しい」とグチる営業に足りない視点 普段の仕事には80%の力しか使わなくていい
こうしたことからも、営業マンの仕事の詰め込みすぎは、有害なことのほうが多いといえます。では、具体的にどう営業活動に取り入れればいいのかを紹介しましょう。
20%の余力を持つための5つの方法
たとえば、企画提案営業の場合は1時間ほど商談に時間を使うので、1日に打ち合わせできる件数は、多くても3件です。20%の余力を残す件数にするためには、1日に4件も5件も入れてはいけません。
ルートセールスや配達を兼務した営業の場合は、商談時間は、10~20分程度でしょう。配達を含め、1件で30分使うとして、移動時間も含めると、1日に訪問できるのは、5~6件でしょうか。顔を出すだけの営業では、10件ほどまわる会社もあるかもしれませんが、どちらにしても、仕事量がギリギリのアポイントは入れないことです。常に20%の余力を残すことを心がけましょう。
私だけではないと思いますが、忙しいときに限って、緊急事態が起こるものです。最悪、次の日でも間に合うクレーム案件であっても、次の日まで、アポイントでぎっしり埋まっていると身動きが取れません。これで、お客さまに怒られたことが何度もあります。
たとえば大手企業に営業に行く場合、1つの打ち合わせに、お客さまが1時間の時間を想定していることが多いです。同じ会社で、次の打ち合わせを、ちょうど1時間後にしてしまうと、何かあって前の打ち合わせが遅れたときや、緊急の電話が入ったときに対応できなくなります。必ず、打ち合わせと打ち合わせの間には、30分のインターバルを空けましょう。
次のお客さまへの移動が生じる場合には、移動時間+30分の余裕を設けるのがベストです。まったくクレームが起こらない業種、もしくは、クレームは営業マンではなく、他部署が直接対応をするという会社ではない限り、多少の余裕を持たなければなりません。
私は、30分くらいの余裕をつくり、空いた時間で、次の打ち合わせの内容を確認したり、社内やお客さまとの連絡を取り合って、仕事の処理をしていました。連絡はこまめに行ったほうが、お客さまも自分も助かるからです。
電車で移動する場合でも、たまに電車が止まることもあります。もしくは、乗り換えを間違えて、時間をロスしてしまうこともあります。車で移動する場合などは、渋滞で遅刻する行為は絶対に許されません。土地勘のない場所に行く場合も、場所を間違えたり、迷うこともあります。時間のリスクヘッジは必ずしておきましょう。
こうした理由で、必ず「30分前」に客先に到着できる時間を設定し、早めの到着を心がけましょう。時間に余裕があるほうが、客先に到着してからも心に余裕が持てます。これが、ギリギリとなって、走って息を切らしたり、車を飛ばしてイライラしたりすると、商談にも影響が出てきます。