「努力が空回りする営業」に欠けた3つの視点 激しい売り込みはお客をゲンナリさせる
熱心な営業マンが陥りがちな「ブーメラン現象」
営業マンのみなさんは、お客さまに商品を一生懸命売り込む、もしくは、一生懸命商品の説明をするのが仕事だと思っていませんか?
今回のテーマは、「熱心に売り込めば売り込むむほど、実は物は売れなくなる」という「ブーメラン現象」についてです(これは「ブーメラン効果」とも呼ばれますが、効果といっても「負の効果」を意味しています)。
心理学用語で「ブーメラン現象」と言われているのは、ビジネスでいえば「強く売り込まれれば売り込まれるほど、人は反発する」というものです。押しが強ければ強いほど、反発される度合いもブーメランのように強くなるという意味で使われています。
「一生懸命」なのはよいことなのですが、「一生懸命」すぎると、この「ブーメラン現象」に陥ってしまいます。しかも、営業成績は悪いのに、本人は「一生懸命頑張っているから間違っていない!」と思っている営業マンは実に多く、これがなかなかやっかいなのです。
では、この「ブーメラン現象」が日頃の営業活動にどのような影響を与えるのかを2つの例で見ていきましょう。
1つ目の例は、お客さまが商品説明を望んでいないのに、一方的に一生懸命商品の説明をして、相手が引いてしまうパターンです。普段から面識のあるお客さまの場合であれば多少は大目に見てもらえますが、新規開拓などで初対面のお客さまの場合には、この一生懸命という名の「一方的な営業」では、二度と会ってくれることはありません。
おそらく、1回の商談で自社の商品を知ってもらおうとするあまり、つい一生懸命の度がすぎてしまうのでしょう。