「努力が空回りする営業」に欠けた3つの視点 激しい売り込みはお客をゲンナリさせる

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2:商品説明は、軽くにとどめる

買ってもらおうと、商品の説明を一生懸命に行う営業マンは多々いますが、実はこれが逆効果なのです。商品の説明は、買うとき、買った後に詳しくお客さまのほうから聞いてきますので、買う意思がない時点で突っ込んだ説明をしても、相手は話を聞いていないばかりか、「売り込まれている意識」が強く残り、逆に敬遠されてしまうことになります。

これも、私がある大手企業で営業トレーニングをしたときの話です。ある受講生が、雑談もなくいきなり商品説明に入り、こちらが嫌な顔をしているのにもかかわらず、状況を察することもなく、一方的に商品説明をしてきました。こちらが嫌な顔をしている時点で、ブーメラン現象が起こっているのですが、それに気づかないのです。

このように、ブーメラン現象としてお客さまが引いた状態になってしまうと、本来、お客さまから聞き出さなければならない情報も聞き出せなくなってしまいます。これでは、お客さまのニーズをつかむことなどできません。お客さまとうまくコミュニケーションをとり、相手のニーズを聞き出す営業マンの方が、よい商談になることは言うまでもありません。

「買ってください!」の多用はNG

3:「買ってください!」というのは勝負どころのみ

営業マンは、商談の中のどこかで「買ってください!」と言わないと、お客さまも購入の意思を示してくれないものです。ですが、この言葉は、何度も使う必要はありません。「いかかですか?」「どうですか?」のような、優しい言葉でも同じです。

お客さまが「興味を示している」「買っていだだけそう」などの場面だけで使えばいいのです。何度も「買ってください!」という言葉を使うと、強く売り込まれたと思われ、その時点で敬遠されてしまいます。

これも私が営業トレーニングをしたときの話ですが、ある受講生はいきなり商品説明に入るだけでは物足りないのか、しばらくすると、「どうですか?」と、すぐに購入を迫ってくる人がいました。中には、営業マンの意見でしかないのに、「御社には役に立つ商品のはずです」「御社には必要です」と、説得しようとする人もたくさんいました。そう、相手にとって「役立つかどうか」は、お客さまが決めることです。営業マンが、言うことではありません。

明らかな傾向として、商品説明が多く、自分の都合を押しつけてくる営業マンは、次のアポが取れません。アポが取れなければ、売るチャンスはもうないわけです。だからこそ「一方的かつ押しの強い売り込み」は、営業マンにはタブーなのです。

みなさんもこの「ブーメラン現象」に陥らないように、注意して営業活動に取り組みましょう。

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アルファポリスビジネス編集部

アルファポリスはエンターテインメントコンテンツのポータルサイト。小説、漫画、書籍情報などを無料で配信。最近はビジネス系の記事にも力を入れている。

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