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チェコでペレストロイカが歓迎されているのを知る/佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿106

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佐藤優氏によるコラム。ビジネスパーソンに真の教養をお届け。【土曜日更新】

ペレストロイカとはロシア語で「立て直し」「リストラ」の意味だ。ブレジネフ書記長の時代に停滞してしまったソ連社会に対し、当初ゴルバチョフ氏は規律強化によって生産性を向上させようとした。当時、この過程はウスコレーニエ(加速化)と呼ばれた。しかし、民衆は面従腹背でソ連の生産性は向上しなかった。

そこでこの社会を抜本的に変化させることによって改革しようとした。そして、それまで政治の世界では用いられてこなかったペレストロイカという言葉に独自の意味を付与した。ゴルバチョフ氏は、ペレストロイカを「革命だ!」と名付けたのだ。

1988年5月、筆者がモスクワからチェコスロヴァキアの首都プラハに出かけたときのことだ。筆者が外交官になった動機は、チェコ語を学び、チェコの神学者ヨゼフ・ルクル・フロマートカに関する資料を探すためだった。しかし、さまざまな巡り合わせで、筆者は外務省からロシア語の研修を命じられた。85年4月に外務省に入省してから3年後に再度、憧れのプラハを訪れることができた。

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