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KGBが動員されたらスターリン時代に逆戻りだ/佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿103

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ロシア共産党第2書記だったイリイン氏は、ソ連共産党守旧派のクーデターにおいてクリュチコフKGB(ソ連国家保安委員会=秘密警察)議長が果たした役割について「仮説だが」と断りつつ、自分の意見を述べた。

「(1991年)8月4日にゴルバチョフ大統領は休暇に入った。その翌日、モスクワ郊外のKGB施設にクリュチコフがパヴロフ首相、ヤゾフ国防相、バクラーノフ国防会議第一副議長(軍産複合体担当)、シェイニン政治局員兼書記、ボルディン大統領府長官、アチャロフ国防次官(非常事態担当)、ヴァレンニコフ国防次官らを集めた」

──その後、全員が国家非常事態委員会に加わりましたね。

「そうだ」

──この時点でクーデターの陰謀が始まったということですか。

「陰謀というよりも、8月20日にゴルバチョフが新連邦条約に署名したらソ連は解体過程に入る、という認識を持った愛国者が集まったとみるのが正解だろう」

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