「(ゴルバチョフは)重いラジクリットだ」とロシア共産党のイリイン第2書記は答えた。
「ラジクリット(radikulit)? それは何だ。聞いたことのない病気だ」と筆者は尋ねた。
「時々ある病気だ。激痛が走って仕事ができなくなる」。そう言ってイリイン氏は背中や腰をさすった。
筆者はこの病名がわからなかったが、ここでこの話に時間を取られているとほかの重要な話を聞けなくなると思って、わかったふりをした。面倒なのはメモが取れないことだ。イリイン氏がレオーノフ補佐官に「今日は記録は要らない」と言ったのは、この会見は「存在しない」ことになっているという意味だ。筆者もメモを取るなという意味なのだろう。筆者はノートも万年筆も取り出さずに、無言で「ラジクリット」という言葉を何度か反すうし、記憶に焼き付けた。
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