ウクライナの政権中枢が混乱し始めた。7月17日、ゼレンスキー大統領はこれまで中心になって政権を支えてきたバカノウ保安局(SBU)長官(秘密警察長官)、ベネディクトワ検事総長を停職にする大統領令を公布するとともに、両名の解任を最高会議(国会)に要請した。19日、最高会議は両名の解任を議決した。
側近を更迭した理由について、ゼレンスキー氏はこう述べた。
ゼレンスキー氏は、同日、ロシアに協力した犯罪者に対する作戦の結果の報告を受けたとし、「国家捜査局とSBUの職員が、クリミア自治共和国SBU総局元局長を拘束した。この人物は、全面的侵攻の当初に私が解任した人物であり、ご覧の通り、同決定は完全に正しいものだった。
同人物に国家反逆罪を通達するに十分な証拠が集まった。彼の全ての犯罪的行為は記録されている。過去数か月とそれ以前に彼が行ったこと全てに、然るべき法的評価が下される。同様に、彼とともに、ロシア連邦の利益のために働いた犯罪集団に入っていた者全てが責任を負う。機密情報の敵への提供や、その他ロシア特殊機関との協力のことだ」と発言した。
また同氏は、「私は、最も厳しい前線地域を訪れてきた。個人的に、特に治安機関の活動を把握した。その結果、ご存知の通り、ヘルソン、ハルキウといった地域の治安分野の幹部に関する人事決定が採択された。地方の行政トップについても対処した。治安分野と法執行機関の幹部一人一人の具体的な行為と行為の無活動は、評価を受ける。法執行機関の関連監査は、すでに最初の結果を出しており、今後も継続される」と伝えた。
さらに、同氏は、「今日の時点で、検察、裁判前捜査機関、その他法執行機関の職員の国家反逆罪と敵対協力行為につき651件の刑事捜査が登録されている。198の捜査では、当該人物に容疑が伝達されている。特に、60人以上の検察官とSBUの職員が、被占領地に残り、私たちの国家に対峙して働いている。
国家安全保障の基本に対するこのような大規模な犯罪と、ウクライナの治安機関とロシアの特殊機関の職員の間で確認された連絡は、関連する機関の幹部に対する非常に深刻な疑問をもたらすものである。そのような問題の一つ一つが然るべき回答を受け取ることになる。私は、今日、検事総長の停職、SBU長官の停職に関する決定を採択した」と報告した。(7月18日、ウクライナ国営通信「ウクルインフォルム」日本語版)
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