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〈書評〉『地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか』『日本の国民皆保険』『東西南北 「方位」の世界史』

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ブックレビュー『今週の3冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか 元警察庁刑事局長30年後の証言』

・『日本の国民皆保険』

・『東西南北 「方位」の世界史』

『地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか 元警察庁刑事局長30年後の証言』垣見 隆 著
『地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか 元警察庁刑事局長30年後の証言』垣見 隆 著/手塚和彰、五十嵐浩司、横手拓治、吉田伸八 編著(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・東京都市大学准教授 伊澤理江

日本最大の無差別テロ、1995年3月20日の「地下鉄サリン事件」から30年を経て、当時の警察庁刑事局長・垣見隆(かきみたかし)が捜査の内幕を語った重要な証言録だ。

聞き手となった研究者らの問いは厳しい。「地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか」「防げたのだとしたらどこで誤ったのか」を明らかにすべく、垣見を取り囲み疑問をぶつける。

オウム捜査の深淵と複雑さ、警察庁の組織内政治の顛末

東洋経済オンラインの愛読者に読んでほしい本を一気に紹介。【土曜日更新】

オウム真理教が危険な宗教団体として認識されるまでには長い年月が流れている。

地下鉄サリン事件の6年前、89年に起きた坂本弁護士一家殺害事件は当初、失踪案件として扱われていた。その同時期、オウム真理教と住民や元信者とのトラブルは各地で続いていた。それら点と点が脅威としての輪郭を帯び始めるのは、94年に松本サリン事件が起きた後である。

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