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〈書評〉『なぜ子どもの将来に両親が重要なのか』『本をともす』『中国皇帝の条件』/結婚を見送っているのは誰か、格差固定にもつながる問題

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ブックレビュー『今週の3冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『なぜ子どもの将来に両親が重要なのか 家族格差の経済学』

・『本をともす』

・『中国皇帝の条件 後継者はいかに選ばれたか』

『なぜ子どもの将来に両親が重要なのか 家族格差の経済学』メリッサ・S・カーニー 著
『なぜ子どもの将来に両親が重要なのか 家族格差の経済学』メリッサ・S・カーニー 著/鹿田昌美 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・大阪大学教授 安田洋祐

家族や結婚にはさまざまな形があり、どのように子育てを行うかはデリケートな問題だ。経済学者が口を挟む話題ではない、と眉をひそめる読者もいるだろう。

本書は、貧困や格差研究の大家が、こうした批判を覚悟のうえで世に出した警告の書である。3児の母でもある著者は、家族構成の変化が経済格差の拡大と深く結びついていることを、近年のさまざまな研究から明らかにしていく。

結婚を見送っているのは誰か 世代間の格差固定につながる問題

東洋経済オンラインの愛読者に読んでほしい本を一気に紹介。【土曜日更新】

米国では1980年代以降に一人親家庭が急増した。結婚している両親と暮らす子どもの割合は2019年には63%で、80年の77%から大幅に減少している。

この割合を母親の学歴別に見ると、大学を出ている場合は80年に90%、19年でも84%と堅調だ。一方で4年制大卒未満の場合は減少幅が大きく、19年には60%を切る。

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