大学生にものすごく「睡眠」が必要な根本理由 勉強のためでも徹夜なんてもってのほかだ

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平日の深刻な睡眠負債を解消するために、睡眠の長さと質をよりよくするために必要なこととは?(写真:IYO / PIXTA)

ついに新学期。大学生の皆さんは、大学に戻るのを楽しみにしていたことと思う。再び始まった大学生活に失敗しないために、1つ忘れられがちだが、大切なポイントを紹介しよう。

それは睡眠の長さと質だ。週末だけでなく毎日、月曜日から日曜日までの睡眠に注意する必要があるのだ。

お酒やドラッグと同じくらい勉学に影響

大学での成績や卒業の可能性にマイナスの影響を与える要因としては、お酒やドラッグの使用がよく心配されている。しかし、研究によると、それと同じぐらい、あるいはそれ以上に大きく影響する要因として、睡眠の質と量があるという。

睡眠不足は、学業や肉体的・精神的な健康に壊滅的な影響を与える。しかし、睡眠の問題について対策を講じている大学はほとんどないし、それと正反対のことをしている大学もある。たとえば、図書館を24時間オープンにして、大学生の徹夜を助けるなどだ(私は大学1年生の時、試験勉強のために一度だけ徹夜をしたことがある。しかし、肝心な試験の最中に眠ってしまい、苦い教訓となった)。

大学生の睡眠の問題に詳しいJ・ロクサーヌ・プリチャードによると、ただ何かを記憶するだけならば徹夜も効果はあるかもしれないが、その情報を使って複雑な問題を解く必要があるなら、徹夜はよくないという。16時間続けて起きていると脳の機能は低下し始め、20時間になると、酔っぱらっているのと同じような状態になる。

大学進学を目指す子どもたちは、たいてい睡眠の状態がよくない。それが大学に入ると、勉強が大変なうえに友人との付き合いやスポーツなどが加わって、睡眠状況はさらに悪化する。

ティーンエイジャー、特に男子であれば、平日の深刻な睡眠負債を解消すべく、週末は午前11時かそれより遅くまで寝ているのではないだろうか。体内時計が完全に壊れた状態だ。それはまるで、週末ごとに3回も4回も時差の異なる場所に旅行し、月曜日から金曜日は時差ボケから回復するために使っているようなものだ。

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