「北海道のコメダ」が抱える地元定着への課題 熱しやすく、冷めやすい道産子との向き合い方

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「コメダ珈琲店 東札幌五条店」の外観(筆者撮影)

開業日は60人が並んだ

2年前の2016年8月10日、コメダが北海道に上陸した。札幌市白石区に「コメダ珈琲店東札幌五条店」がオープンしたのだ。当時の熱気はすごかった。道内初進出とあって、前日の9日には、北海道テレビ(HTB)、北海道放送(HBC)、札幌テレビ(STV)の地元テレビ局3社が取材クルーを投入。夕方の情報番組などで放送された。北海道新聞など新聞社も取材に訪れ、記事を掲載。こうした報道も手伝い、札幌のコメダは大きな話題となった。

筆者も8月9日から現地入りして、2日にわたり密着取材したので、その“熱さ”は覚えている。一番乗りは前夜11時から寝袋持参で並んだ19歳の学生で、夏休み中に学校行事で登校前の女子高校生2人組も店に立ち寄った。ちなみにコメダの来店客層の平均年齢は約46歳(日本の平均年齢とほぼ同じ)なので、ふだんの来店客よりも若い世代だ。

結局、開業日には最大60人以上が並んだ。その後も現地情報を追加取材したが、「台風が接近した日でも行列になった」(コメダ関係者)と聞いた。

人気は定着したが、熱気は冷めた

6月中旬、2年ぶりに店を訪れた。平日の昼下がりでもあり、店内で2組が座席を空くのを待つ程度。店舗スタッフに聞くと「今では店外に大行列することはない」という。

とはいえ、業績は堅調だ。座席数約100席の大型喫茶店だが、1日の来店客数は平日でも数回転(約100人来店で1回転)、土日祝日はさらに増える。人気は定着したが、熱気は冷めたといえよう。

取材時には、近くのテーブルで20代の男女4人組が飲食をしていた。首都圏から来た大学院生で「今日は研究発表会に参加。コメダは向こう(首都圏)で時々使います」と話していた。実は、店のすぐ近くに札幌コンベンションセンターがあり、各種の研究会や会合が開催される。「イベントの参加者と思われる人が、当店に来られるケースも目立ちます。それによって、当日の客数が上下する側面もあります」(店長代行の梅崎紘平氏)。

後述するが、さらに客数を上積みさせる工夫の余地はありそうだ。

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