セミナー前列に座る人と年収の興味深い関係 「勉強するだけの人」から抜け出す5つのコツ

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演習、ロールプレイは真剣勝負する

セミナーや研修に演習問題や状況設定をして模擬演習するロールプレイが用意されていることがありますが、これらはぜひ全力で取り組むことをおすすめします。「そんなことは知っているから今更やらなくても……」と思うことも中にはあるかもしれませんが、知っていることとできることには大きな違いがあります。これをKnowing-Doing Gapと言います。

リーダーシップ系やコミュニケーション系のセミナーや研修は、わかっていてもできないことを理解してもらうための演習が用意されていることがほとんどです。演習でできないことが実践の場でできることは稀です。真剣にリアルの場だと思ってやってみることでしか得られないことがたくさんあるのです。失敗したら恥ずかしいと思うかもしれませんが、実際の仕事の場で失敗することを考えればむしろ経験した方が良い失敗です。研修やセミナーは安心して失敗できる場でもあるので、チャレンジしてみましょう。

学びジプシーにならないと決める
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せっかく新たな学びを深めても、「自分はまだまだ……」と、次々とセミナーや研修を受け続ける方がいます。こう言った人は「セミナージプシー」という言い方をされます。私が外国人講師の方にある資格の研修を受けたときに言われたのは、「日本人にはProfessional Studentが多い」ということでした。アメリカ人だったら、この資格を取ったらすぐに自分のビジネスを始める人が多いのに、日本人は「まだ仕事で通用するレベルではない」と仕事に活かすことなく、次々と講座を受け続ける人が多いのだそうです。そういう人はセミナー業界から見たら上顧客かもしれませんが、せっかく得た学びを価値あるものとして活用しないのはもったいないことです。

確かに学ぶほど自分に足りないことが見えてくるのも事実ですが、すべてを学びし尽くしたから成功するというわけではありません。ビジネスはタイミングとスピードが重要です。本当に足りないところはフィールドで実践してこそ見えてくることが多いものです。そうなってから次の段階の学びの機会を持ったほうがより得られるものが多くなります。

21日と66日で学びの定着をチェックする

学びジプシーにならないと決めることも大切ですが、学んだことを確実に定着させることはもっと重要です。行動や意識を変えるにはある程度それをやり続けることが必要です。試しにやってみる……という程度で定着することはほぼありません。まずは学んだことを活用してどうなりたいのかという結果目標と、実現するための行動計画を立ててみてください。その際には21日(3週間)、66日(2カ月)でどうなっていたいかチェックポイントを決めるとよいでしょう。

21日と66日は習慣化にかかる平均的日数と言われる数値ですが、21日はまずはなりたいイメージや行動することに慣れるまでの時間だと思ってください。2カ月は習慣と呼べるほど行動が自動化されるまでの期間です。簡単なことであれば2カ月程度ですが、難易度の高い行動であればもっとかかりますので、1カ月単位でチェックポイントを延長していきましょう。

”ヒゲとり”でも2カ月かかる

私はプレゼン研修で、言葉のヒゲとりを受講者の方に行ってもらいます。言葉のヒゲとは話すときに無意識に出てしまう、「え~」、「あのですね~」などの意味のない口癖のことです。これを出なくするまでの期間として3週間まずは意識して自分が話したときに出たか出ないかを毎日チェックしてもらいます。

人によって3週間で出なくなる人と、緊張するプレゼンでは出てしまうという人がいますが、2カ月たてばほぼ全員が“永久脱毛”できます。言葉のヒゲとりという簡単そうなものでもそれくらいかかるのですから、もっと難しいことを自分で身に付けたいと思ったら、確実に時間がかかることを認識して定着のための行動計画が必要です。

参加者の方々が自分の講座で多くの学びを得て、行動を変え、たくさんの価値を出していくことは、講師として本当に嬉しいことです。皆様の学びの一助となることを願っています。

清水 久三子 アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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しみず くみこ / Kumiko Shimizu

アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担いベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた

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