面接の「なぜ辞めたの?」を恐れる必要はない どのような気持ちで面接に臨むべきか

✎ 1〜 ✎ 169 ✎ 170 ✎ 171 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

私も長年採用に携わってきましたが、採用側からしても正直100%この候補者は大丈夫という確信が持てることはまずありません。

さまざまな質問を通じて、仕事面もそうですが、性格やコミュニケーションの取り方は既存のメンバーやカルチャーとあっているかなどを確かめ、大丈夫であろう確率を上げることが精一杯です。

方向性と選択肢の2つがつながっていることが重要

その際に中途採用であれば前職までの経験や評価が非常に大きな類推ツールとなり得ますし、N山さんのように職業経験があまりない方のケースでは職業観や目指す方向性と会社の方向性の合致というのが1つの大きなインジケーターになります。

したがって、N山さんがまずやるべきは、ご自身の職業上目指す姿を漠然とでもよいからまずは考える。そのうえでなぜ、現在の仕事よりも転職先の仕事のほうがよいのかを考える、ということでしょう。

繰り返しですが、答えに正解はありませんから、その大きな方向性と今回の選択肢という2つがつながっていることが重要なのです。

それが整理できていないまま採用面接に臨んでも、何の武器も持たないまま戦場に飛び込むのと同じで、望んだ結果はついてこないでしょう。要は突発的な思いつき転職ではなく、熟慮したうえでの転職であるという印象をいかに相手に与えることができるか、です。

最初の仕事は「苦しくて辞めた」とのことですが、具体的に何が苦しかったのか、反対によい面はどこだったのか、そういったことを通じてまずは「自分の行動の背景にある自分の思考」を顕在化することから始めてみましょう。

やりたいことが見つからない場合は、やりたくないことを削除していく方法もありますが、同じように何が嫌だったのかを通じて嫌でないことを把握していくやり方です。

そうすることでご自身の考え方を整理して、採用面接時にも「方向性と行動の合致」を見せることによって合格可能性も上げることができるでしょう。

繰り返しですが、辞めた理由などに正解や模範解答はありませんから、辞めたその先の「なぜならば」がキチンと整理されており、合理的な行動であることを示していく必要があるのです。

そのために過去の行動を棚卸しして、本当の自分を知ることから始めてみましょう。

N山さんがご自身を把握することを通じて素敵な仕事に巡り合えることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事