疲れやすい人は「呼吸」の重みをわかってない

そのカギはお腹周りにある

回復しやすい体に変わるためには?(写真:xiangtao / PIXTA)
「最新スポーツ医学では、疲労予防のカギとして“体内で発生する圧力”が注目されています」と語るのは、「スポーツでも世界最強」といわれるスタンフォード大学スポーツ医局のアスレチックトレーナーで、『スタンフォード式 疲れない体』の著者・山田知生氏。この体内圧力と密接に関係するのが「1日3万回近く行われる“呼吸”」であると、同氏は指摘します。
最新のサイエンスで判明した、“疲労発生のメカニズム”と“疲労予防法”について、スポーツNo.1チーム・スタンフォードでの実際の取り組みを軸に解説します。

「絶対的世界女王」を破ったある選手の取り組み

私が現在、専属で見ているスタンフォード大学の水泳チームに、オリンピックと世界水泳合わせて19の金メダルを獲得したケイティ・レデッキー選手がいます。

そんな彼女を、今年の全米大学選手権・400ヤード個人メドレーで破ったのが、同じくスタンフォードのエラ・イースティン選手。彼女ほど疲労とケガの予防に時間と努力を費やした選手はいません。

イースティン選手がとったのは、「ダメージが溜まりにくい体にして、最初から疲れないように予防しておく」というアプローチ。「体内の圧力を高める」ことで疲労の予防を実現しました。

「体内の圧力」とは「お腹の内部の圧力」のことで、「腹圧」とも呼ばれます。

腹部には肝臓や胃腸などの内臓を格納する空間「腹腔」があり、この腹腔内部の圧力が「体内圧力」の正体です(以後、腹圧と表記)。

腹腔の上には「横隔膜」、そして横隔膜の上には「肺」があります。空気を吸って肺を膨らませることで横隔膜が下に押され、その横隔膜が上から腹腔を押す形で腹腔が圧縮されると、腹腔内の圧力が高まり外側に力が働きます。これが、「腹圧が高まる仕組み」です。
「横隔膜によって腹腔が圧縮され、腹圧が高まる」と、お腹は膨らんで腹囲が固くなるのが特徴です。

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