人生100年、ニッポンは「ジレンマ大国」になる

日本の若者が「ライフ・シフト」著者を直撃

「ニッポンのジレンマ “人生100年”のジレンマ大研究」の収録は、東大本郷キャンパスで行われた(写真:NHK)
人生100年時代――。これからやって来るであろう長寿社会に向けて、日本でも人生観が変化しつつある。有識者を集めた「人生100年時代構想会議」が首相官邸で開催されたり、人生100年時代に備える保険が売り出されたり。
でも実際のところ、ほぼ100歳まで生きるであろう今の日本の若者たちはこれをどう考えているのか。老後のための貯蓄も必要なのに給料は上がらないし、「学校」「仕事」「引退」という従来型の3つのステージでは成り立たないと言われても、今の日本社会でそれは難しいのが現実ではないか……。
そうしたジレンマを抱えるミレニアル世代の疑問に、人生100年時代を提唱した『ライフシフト』の著者リンダ・グラットン氏がホンネで答える「ニッポンのジレンマ ”人生100年”のジレンマ大研究」が放送される(NHK・Eテレ、5月26日・土曜深夜24時~予定)。今回は東京大学の講義室で行われたその収録の模様を、一部、番組に先駆けて紹介する。

社会学者・古市憲寿さんと赤木野々花アナウンサーの進行で行われた「ニッポンのジレンマ」の収録会場。ミレニアル世代を中心とした学生・社会人30人が集まった。なかには「半休」を会社に申請して参加した社会人も。

最前列には「論客」として医学部出身のライター・朽木誠一郎さん、女流棋士の香川愛生さん、東京大学などで大学改革や人工知能の研究を行っている田中和哉さんが並ぶ。

人生100年時代という言葉が日本でも流行し始めたことを「とてもうれしく思います」と言うグラットン氏。

「多くの皆様が100歳まで生きられますし、そのための準備をしなくてはなりません。そして積極的でなければいけません。今、決断をしなければならないのです。このコンセプトが日本で受け入れられたことを大変光栄に思います。イギリスはどうかって? EU離脱のことばかり考えていますよ(笑)」

人生100年、それってうれしい?

リンダさんの著書の熱心なファンの一人、岡ひとみさん(外資系コンサルティング会社勤務)は、『ライフ・シフト』にびっしりと付箋を貼って、かなり読み込んだ様子。「今まで読んだ本と全然違う。人生の教科書だ」と語る。そんな岡さんが感じているジレンマとは、「自分が何をしたいのか。それを考えるためにも、リスクを取って新しいことにチャレンジする必要がある。けれど日本の社会はそれを是としてくれないこと」だ。

それを受けて、古市さんもこんなエピソードを明かす。

「講演などで人生100年時代と言うと、結構反応がバラバラなんです。年輩の方などは、これだけ生きてきたのに、まだあと30年も生きなければならないのってネガティブにとらえる人がいるんですよね」

年輩の人ばかりではない。15歳からプロの女流棋士として活躍する香川さんの周囲もそうだ。

次ページポジティブな面もネガティブな面も両方ある
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