人生100年、ニッポンは「ジレンマ大国」になる 日本の若者が「ライフ・シフト」著者を直撃

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続けて、2つ目の提言として、「活力資産」(健康、友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係など)や、「生産性資産」(生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つスキルや知識などの要素)への投資をつねに続けていくことが必要だという点を挙げた。

「ただそれは、今の日本のやり方では難しいと思います。長時間労働ですから、そうした投資ができる状態にないのです。日本の皆さん、長時間労働をぜひやめましょう」

結婚の話が出たところで、「あなたはまだ独身なの? 信じられない」と古市さんにツッコミを入れるグラットン氏。日本では生涯未婚率が上がっている。古市さんによると、ある統計では2030年までには4人に1人が結婚しなくなるという。

「日本の若者が結婚しない理由の1つは、役割分担がとてもギチギチだからですよね。私は去年、古市さんとお会いした後に再婚したんです。然るべき人と出会ったのなら、絶対に結婚したほうがいい。日本の社会を見てみると、いろいろな結婚の形を考えるのが難しいのではないでしょうか」

「良い結婚とは? 良いパートナーとはどんな人ですか?」

真剣な眼差しで質問したのは赤木アナウンサーだ。

「私は以前にもボーイフレンドはいたけれど……、良きパートナーというのは、サポートしてくれる人、耳を傾けてくれる人、それから優しい人。それが判断基準だと思います。あるいは30歳まで(結婚の)決断を待つというのも賢明かもしれません。そのくらいの年齢になれば、自分のことも相手のことも、よくわかってくるだろうと思うからです」

自分の価値をおカネに換算するのはタブーなの!?

さて、参加者が積極的に手を挙げる中、指名されたのは堤はるのさん。社会人1年目で、シンガポール発のスタートアップの日本法人で働いている。ライフシフトの公式ウェブサイトの診断テストを受けたという女性だ。

参加者の質問を熱心に聞くリンダ・グラットン氏(画像:NHK)

「テストの結果は有形資産の点数が低く、おカネについて考えようというアドバイスが出たんです。でも日本人って、互いにおカネのことを話すのがタブーという印象があります。今の会社は給与交渉をして入社しましたが、今後インディペンデント・ワーカーとして働くときに、自分の価値はいくらだとか、交渉をしていく必要があると思っています。でも日本人はおカネに対する教育を受けてきていないんです。おカネに対してもっと具体的に考える必要があるのではないでしょうか?」

たしかに日本人は、公然とおカネの話をすることに慣れていない。堤さんのように入社時に給与交渉をしようものなら、「カネに汚い」「はしたない」と思われてしまいかねないと心配になるのがジレンマだ。

次ページ「自分の価値を知るというのは、おカネの話だけではない」
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