「かわいげのない人」に100年人生は辛すぎる 予防医学者が教える「幸せな年の取り方」
50歳になったらギアチェンジを
あなたは何歳まで生きると思いますか。その問いに、男女問わず多くの人が「80歳くらい」と答えます。その先をイメージできないからでしょう。しかしご存じのとおり、すでに日本の平均寿命は男女共に80歳を超えています。『ライフ・シフト』のリンダ・グラットンさんが指摘するように、人生100年時代の到来が大前提。私はこれからの100年人生を25年ずつ、春夏秋冬に分けて考えています。
0~25歳までは春。肉体的成長の時期です。26~50歳までは夏、精神的に成長する時期。50~75歳は秋で、衰退的成熟の時期に入ります。76~100歳は冬、機能的喪失の時代。こうして人生をトータルでとらえると、少し意識も変わってくるのではないでしょうか。
このうち25~75歳、つまり夏と秋の50年間は働く時期に位置づけられますが、前半と後半では力の入れ方を変える必要があります。夏の期間は仕事や子育てに全力を打ち込む時期ですから、働く一辺倒でも良いと思います。ただし50歳を過ぎたらギアチェンジする必要がある。「よく学び、よく遊び、よく働く」というバランスが大事。
今までは60歳で定年を迎えるまで働いて、そのおカネで家族を扶養し、また自分の老後も扶養していくことができました。これは、いわば「ライスワーク」です。食べていくための仕事。80年の人生ならそれでいいですが、100歳までとなるとちょっともたない。したがって秋の時期からは「ライスワーク」ではなく、「ライフワーク」を意識する。言い方を変えれば、76歳以降の冬の時代を迎えるために、50歳から準備を始めるということです。
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