「かわいげのない人」に100年人生は辛すぎる 予防医学者が教える「幸せな年の取り方」
ちなみにある世界的なインターネット企業では現在、これから社員が健康に生きるための3大スキルとして、「Cook」「Move」「Sleep」を挙げています。プログラミングや統計より、料理すること、体を動かすこと、寝ることを重要なプログラムとして位置づけているのです。
男性のほうが凝り性ですから、料理の腕もどんどん上達する可能性が高い。料理は突き詰めると本当に難しいし、だからこそ面白い。学ぶことも多い。
コミュニティの1つに料理教室を選んでもいいでしょう。若い女性に交じって料理を教わるのも1つの手です。上手にできるようになれば、おいしい料理を目当てに孫が遊びに来てくれるようにもなります。
50歳からの「学び、遊び、働く」というバランスと、3つのコミュニティに属することを考えたとき、男性と女性とでは“つながり”の持ち方が異なる点も留意したほうがいいかもしれません。女性はおしゃべりでつながるけれど、男性は行為を通してつながるという研究があります。
黙って同じ作業をしていく中で絆が深まるのが男です。お互いのことは話さなくてもいい。だから目の前にお茶とお菓子があっても困るんですね。語らずともわかり合えるのが男の友情、語り尽くしても足りないのが女の友情というわけです。
常識は20年スパンで変わっていく
また、今私たちが持っている倫理観や価値観は、比較的最近になって形作られたものです。常識は20年くらいのスパンで変わる。
たとえば20年前、「悪い女」として語られるのはどんな女性だったか。1991年に講談社から創刊された『FRaU』という女性誌があるのですが、創刊号の特集は「悪女かもしれない」です。そこで描かれている女性は、仕事をバリバリこなして、夜はお酒を飲み歩いて、週末には海外旅行に出かける。今となっては普通ですよね。ここで学ぶべきは、常識はすぐ変わるということです。
ファイナンシャルプランの話をするなら、「生涯で最も大きい買い物=家」という価値観も変わっていくでしょう。起業家の孫泰蔵さんが「Living anywere」とうたっているように、持ち家幻想は捨てるべきだと私も考えています。これからは半定住、半移動のライフスタイルになっていく。
「良い暮らし」のイメージとして、多くの人が持つのは、良い家、良い家具、良いソファと良いテレビ。しかし家の中心にテレビが鎮座している「良い暮らし」の常識を疑ってみるべきです。家の中心はキッチンでいい。住宅は支出の中でも最も大きいわけですから、それをもう一度見直したほうがいいというのが、人生100年時代のファイナンシャルプランのポイントです。
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