株式市場は日経平均株価2万円前後で膠着状態であるように見える。「膠着状態だ」などと決めつけた途端に大きく動き出したりするのがマーケットであるが、FRB(米連邦準備理事会)の利上げが米国株に対して悪材料である一方で、為替レートに対しては円安材料であり、これが日本の株価にはプラス材料であるといった、主な材料に両面性がある状態が現出しているので、当面は上下ともに大きく動きにくい状態に見える。
もう少し長期的に見るとしても、「日本の金融緩和継続と欧米の金融引き締めへの転換のギャップ」が日本株にプラスに働くのかもしれないし、ここにきて安倍晋三政権の安定性が揺らぎ始めたことから、「アベノミクス相場の終わりの始まり」を感じるべき時なのかもしれない。
起業は難しい、それなら理想的サラリーマンを目指せ
さて、市場の方向性を語りにくい今回は、読者の皆さん一人ひとりに「個人として目指してほしいと思っているビジネスパーソン像」について語ってみたい。筆者自身が十分にできているわけではないが、多くの読者に達成してほしいと思う「サラリーマンとしての理想像」だ。少々大風呂敷を広げることになるが、ご寛恕(かんじょ)いただきたい。
意欲のある読者は、「サラリーマンとしての」という言葉に、起業家でもフリーランスでもいいはずだし、そのほうがより良い自己実現ができるのではないか、との感想を持たれるかもしれない。しかし、「起業」の成功確率が小さいことは洋の東西を問わない経済常識だし、多くのサラリーマンが全面的に起業や独立に打って出るリスクを取りにくいのが現実だろう。
「やりたいことをやるためには、起業せよ!」といったマッチョなメッセージは、それが好きな人だけが受け止めたらいい。
筆者が思う理想的なサラリーマンライフをキャッチフレーズにまとめてみようとして思いついたフレーズは、「しなやかに働く、自由型サラリーマン」だ。
コピーとしてまだまだかもしれないが、自分が会社と対立するのではなく、会社と相互利用の関係を構築し、プライドを持って卑屈になることなく、何よりも仕事を楽しむことができるサラリーマンが理想的なのだと思う。仕事に使う時間は長いし、ビジネスパーソンは主に仕事を通じて他人とつながっている。仕事が面白くないビジネスパーソンが幸せを感じることは難しい。
それでは、筆者が考える理想的サラリーマンの条件を4つあげてみよう。
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