さて、会社と個人は、法律や社会的な慣行はさておき、双方が他方を必要としているなら関係を継続するといいし、一方が他方を不要だと思うなら、両者の関係は継続しないことが自然だ。
もちろん、精神的には、会社に雇われていて社会的な立場と生活の糧を得ている個人の側がプレッシャーを感じやすい面があることは否めないのだが、理想を言うなら、相手からのサヨナラにも、自分からのサヨナラにも、心が動じることなく対処できるようでありたいものだ。
会社とのサヨナラができる覚悟がないと、自分の意見や正義を守ることができない場合があることは、サラリーマンなら大なり小なり感じたことがあるだろう。一般に、自分の正義や価値観は、自分の実力相応にしか実現できない。
必要なときに「会社とサヨナラする」には?
必要なときには会社とサヨナラすることを可能にするのは、自分が人材価値を持っていて、転職マーケットでその価値を実現できるはずだという自信以外にない。
そのためには、マーケットで価値を持つ自分の「人材価値」を計画的に養っておく必要があるし、その実現手段としての「転職」をスムーズに行使できる具体的な知識と心構えを持っていなければならない。そして、人材価値のつくり方にも、転職できるための人的なネットワークの構築にも、時間がかかるので「計画」を持つ必要があるし、効率の良しあしがあるので「戦略」がいる。
それ自体は事前に計画したことではなかったし、必ずしも純経済的に得なことではなかったが、筆者は過去に12回転職を経験している。
筆者は、通常の話題にあっては、話しても、書いても、「理屈っぽい」傾向があるのだが、こと転職に関しては経験からもモノを言うことができるという自負が少々ある。ヘッドハンターや労働経済学者も、自分自身が多くの転職を経験しているわけではない場合が多い。転職に対する考え方と心構え、転職の手順と個々のプロセスにおけるコツ、転職の可能性を前提とする働き方などについて、お伝えしたいことが多々ある。
転職のノウハウは、「しなやかに働く、自由型サラリーマン」になるための重要な基礎技術の1つだ。
今回も、夏季なので競馬の予想をお休みします。一般に、盛夏はサラブレッドがレースを休んで、秋以降の出走に備える季節です。読者も、この暑い夏を充電に充てて、その後の仕事なり、転職なりの、パフォーマンス向上を期するといいのではないかと思います。それにしても、暑ーいっ!
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら