「かわいげのない人」に100年人生は辛すぎる 予防医学者が教える「幸せな年の取り方」

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もう1つ、自分の100年人生をトータルで考えたとき、黄金期をどこに持っていくかを考えるのも大切です。私自身は、60~75歳までの15年間だと思っています。春や夏の時期に人生の黄金期を迎えてしまうと、その後の人生がつらいですよね。思い出にすがって生きることになってしまいます。それよりも、人生終わりよければすべてよし。学生時代も社会人時代もパッとしなかったけれど、秋の後半に輝けばいい。それができた人の人生はとてもハッピーです。

予防医学の観点から言えば、長寿の秘訣は「禁煙、減塩、人の縁」。ただし、これだけでは生きる指針にならないんですよね。何のための長寿なのか、なぜ健康を維持しなければならないのか、こうした問いに答えていないからです。それよりむしろ、自分の黄金期はこれからだと考えたほうが、健康への動機付けとしては大きい。

いずれにせよ、寿命が延びるというのは、人生の黄金期を少し後に延ばすことなのだと思います。40代50代のビジネスマンも、これから待ち受ける長寿を憂うより、来るべき人生の黄金期をどう迎えるか、そこに向けて自分はどんな道を進めばいいか、働き方をシフトしながら模索する必要がある。人生のピークがこの先にあると思えば、気持ちも前向きになり、それがまた健康にもつながっていきます。

定年後のビジネスマンは家の中で自立せよ

こうした試行錯誤は、実は女性がずっとやってきていました。50歳くらいになると子供が社会人となり、「母親定年」を迎えます。それが自分の人生を見つめ直すきっかけとなり、10年ほど試行錯誤して、60歳から超元気(笑)。

そもそも「人の縁」という“つながり”を作るのは女性のほうが得意ですから、複数のコミュニティに属し、自分のやりたいことを見つけ、人生を謳歌する、まさに黄金期です。そこに夫が定年退職してずっと家にいるとなると、本当に憂鬱になるんですよね。

私は最近、企業に呼ばれてライフプランニングの話をするのですが、「定年したら奥さん孝行をしたい」という男性が少なくありません。具体的には一緒に映画を見に行ったり、旅行したり。

とんでもない勘違いです。本当の奥さん孝行とは、台所から解放してあげることです。つまり定年退職した男性は、家の中で自立することが求められます。まずは料理を覚えること。みそ汁くらいは自分で作れるようになりましょう。ご飯とみそ汁と納豆があれば、日本人は生きていけますから。

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