現在、内閣が旗振り役となり、「働き方改革」が推し進められています。多くの会社でも議論となっており、人事とは無関係の方でも、働き方について改めて考え直す人も増えてきているのではないでしょうか。「働き方改革」という言葉自体も、一般にはすでに市民権を得た状態といえると感じています。
しかし、よくよく考えてみると、「働き方改革」の内容は、意外と抽象的なイメージのままではないでしょうか。一般に、イメージされるのは「とにかく労働時間を減らすべき」という議論です。メディアでよく目にするのは、「ノー残業デー」や「朝方勤務」、もはや実効性が疑わしい「プレミアムフライデー」などでしょうか。
「日本人は生産性が低いから労働時間が長いのだ」という議論もよく出てきます。あるいは、在宅勤務やリモートオフィスなど、育児や介護などの事情がある方でも働きやすい職場の実現も課題として語られることが多いと思います。
「働き方改革」が必要な真の理由
しかし、これらはすべて個別の議論にすぎません。問題の本質は、「これらは何のためにやるべきと考えられているのか」という点にあります。「働き方改革」という言葉は、何とも抽象的で、ともすれば「雇用解体をもくろむ悪いこと」だという向きすらあります。
また、実際のところ、「働き方改革」などといっても、「コンプライアンスをアピールするためのマーケティングなんじゃないの?」という冷ややかな指摘もあるようですが、それは的外れです。「働き方改革」が必要な真の理由は、一言で言えば、圧倒的な「人材不足」です。
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