残業は「時間制限」だけしても何も解決しない

読者からの「本音コメント」に弁護士が答える

スキルが得られなければ、最終的に追い詰められてしまうのは労働者自身だ(写真:Taka / PIXTA)

前回(「残業規制はむしろ迷惑」と考える人々の事情)は、多くのコメントを寄せていただき、その反響の大きさに驚いています。労働時間規制への関心が高まっている今だからこそ、働くということ、残業するということについて読者の皆さまが考えるきっかけになることを願い、今回は、皆さまからいただいたコメントの一部に対して、筆者の立場からお答えしていこうと思います。

前回の記事では、必ずしも働く人が残業を嫌がっているわけではない事例を、以下の4つの類型に分けて紹介しました。

1 生活残業代をアテにしていた人々

2 自発的にクオリティにこだわりたい人

3 長時間残業をすることで上司に頑張っているアピールをしてきた人

4 スキルアップをしたいと思っている人

生産性だけを見直すことには限界がある

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もちろん、この中には、残業をする本来の趣旨から外れたものも含まれています。しかし、働かれている読者の中には、「こういう人、周りにいる!」と感じた人も多かったのではないでしょうか。コメントには、記事に賛同するものもあれば、さまざまな観点から批判的な見解をいただいたものもありました。内容には手を加えずに、そのまま掲載しておりますので、この点はご了承ください。

まずは、労働時間だけ規制しても、仕事量と人手の問題を併せて考えなければ意味がないというご指摘です。

この記事で工数に見合う人工(にんく)や稼働が足りない、増やされない状況下で残業時間の出口だけ狭められている人へ取り上げられてない事がとても残念。
生産性を見直して業務のボトルネックをなくすにしても限界があるし、生産性を上げればさらに稼働が削られる。
結果として待ってるのは仕事が終わんないから自主的なサービス残業しましたって未来でしょ。実際そうなってるところもあるし。
次ページサービス残業の押しつけは最悪手
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