「超人材不足」時代到来が働き方を激変させる 改革に追いつけない企業は淘汰される運命だ

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もはや、企業は待ったなしで考え方を変革しなければ、ビジネスが立ちいかなくなる可能性すらある、という強烈な危機感のもとで進められているのです。

マーケティングやCSR(corporate social responsibility =企業の社会的責任)のアピールというレベルではありません。日本の生産年齢人口の推移予測を見れば、危機的な状況になることは数字上明らかです。

企業は多様な人材を確保していく必要がある

生産年齢人口とは、年齢別人口のうち労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口層のことをいいます。日本においては、1995年に8700万人超でしたが、2050年代には5000万人を割り込む予想です。

また、生産年齢人口を全人口で割った、生産年齢人口割合は、2050年代に50%を割り込む見込みです(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」 )。つまり、日本人の中で働いているのは2人に1人未満という異常事態を迎えるのが確実なのです。

これから少子化対策をしたとしても、効果が出るまでには時間がかかりますから、移民受け入れなどを大胆に行わないかぎり、この状況は当面変わりません。働き手がどんどんいなくなっていくという状況下で、これまでどおりの採用やマネジメントをしているだけでは、持続不可能です。考え方を変えて、「多様な戦力」を育てなければならないのです。

これまで、企業としては、「長時間」(長時間労働)、「全国どこでも」(全国転勤)、「どんな仕事でも」(職種無限定)できる人を中心にマネジメントを行い、新卒採用でも基本的にそのような人材を多く登用してきました。そうすると、出産を行うことがない男性が対象の中心になることは必然です。つまり、人材について「同質性」を前提としていたのです。しかし、先に述べた労働人口の問題から単純に人が足りないので、今後はそうはいきません。今までは家庭に押し込められていた女性にも、当然に活躍してもらう必要が出てきます。

しかも、「働き方改革」の下、労働時間の総量規制も始まります。「生産性を上げて業務効率化しよう」といっても、すでに製造業などではカイゼンがやり尽くされており、乾いたぞうきんを絞るかのごとく、生産性の向上だけを目指すことには限界があります。今後、1人当たりの労働時間を減らすのであれば、人を増やすか業務を減らすかしかありません。そして、企業規模を維持したまま労働時間を減らすのであれば、抜本的解決は人を増やすことになります。

ところが、現実は人口減です。そのため、育児・介護でも、転勤できなくても、長時間働けない事情があっても、残業できなくても、時短でも、戦力として登用可能であれば多様な人材を確保していく必要があるのです。これは、好む・好まないという問題ではなく、企業として、必要に迫られることは明らかです。

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