なるか、三陸鉄道の脱「あまちゃん頼み」 観光客は23倍だが、黒字化は…??

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そうした状況の中で、「観光需要を取り込んでいきたい」と、望月社長は語っていた。震災直後から三陸鉄道は三陸復興の象徴として、全国各地から支援客が集まっていた。「あまちゃん効果」で、その規模はさらに大きくなった。

脱・「あまちゃん」頼み

ただ、いつまでも「あまちゃん」頼みとはいかないだろう。三陸鉄道の魅力を全国にアピールする戦略が求められる。三陸鉄道は、お座敷列車以外にも豪華な車内のレトロ列車も有している。過去にはラッピング列車が人気を集めたこともある。こうした列車の魅力は重要な観光資源となる。車内イベントのようなハードに頼らない戦略も有効だ。

10月19日に運行を開始したJR東日本の観光列車「東北エモーション」も強力な援軍となる。車内で味わえる豪華な食事やデザートはさることながら、この列車が走る八戸線(八戸―久慈間)は、風光明媚な景色が堪能できることで有名だ。八戸線と三陸鉄道の組み合わせは三陸観光の目玉となる。

震災前には石巻線・前谷地から北上し、JR東日本や三陸鉄道の6つの路線を経て八戸まで線路がつながっていた。毎年夏には三陸を一気通貫する臨時列車「リアス・シーライナー」が走っていた。現在は山田線の一部で復旧のメドが立たず、気仙沼線や大船渡線の一部では、代替交通としてBRT(バス高速輸送システム)が運行するなど、鉄路は途切れている。復旧には相当な困難を伴うが、もし三陸縦貫線が復活することができれば、過去以上の人気を集めるに違いない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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