そうした状況の中で、「観光需要を取り込んでいきたい」と、望月社長は語っていた。震災直後から三陸鉄道は三陸復興の象徴として、全国各地から支援客が集まっていた。「あまちゃん効果」で、その規模はさらに大きくなった。
脱・「あまちゃん」頼み
ただ、いつまでも「あまちゃん」頼みとはいかないだろう。三陸鉄道の魅力を全国にアピールする戦略が求められる。三陸鉄道は、お座敷列車以外にも豪華な車内のレトロ列車も有している。過去にはラッピング列車が人気を集めたこともある。こうした列車の魅力は重要な観光資源となる。車内イベントのようなハードに頼らない戦略も有効だ。
10月19日に運行を開始したJR東日本の観光列車「東北エモーション」も強力な援軍となる。車内で味わえる豪華な食事やデザートはさることながら、この列車が走る八戸線(八戸―久慈間)は、風光明媚な景色が堪能できることで有名だ。八戸線と三陸鉄道の組み合わせは三陸観光の目玉となる。
震災前には石巻線・前谷地から北上し、JR東日本や三陸鉄道の6つの路線を経て八戸まで線路がつながっていた。毎年夏には三陸を一気通貫する臨時列車「リアス・シーライナー」が走っていた。現在は山田線の一部で復旧のメドが立たず、気仙沼線や大船渡線の一部では、代替交通としてBRT(バス高速輸送システム)が運行するなど、鉄路は途切れている。復旧には相当な困難を伴うが、もし三陸縦貫線が復活することができれば、過去以上の人気を集めるに違いない。
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