宮崎駿と”経済”

ファンタジーとリアリティの狭間で

引退会見での宮崎駿監督

数年前、スタジオジブリの広報担当者に、宮崎駿監督は『週刊東洋経済』のインタビューを受けてくれるかどうか、聞いてみたことがある。そのときは、「仮に経済がテーマだと、宮崎監督はお話したがらないかもしれませんね」という答えが返ってきた。

宮崎監督は決して経済が嫌いとうわけではないと思う。『ルパン三世カリオストロの城』では、舞台となるカリオストロ公国の経済状態についてきちんと設定がされているし、『風の谷のナウシカ』にしても経済の知識なしにあのような世界観は構築できないだろう。

近作の『ハウルの動く城』や『崖の上のポニョ』といったファンタジー色の濃い作品では、作品の世界観に経済が深くかかわっていなかった。だが、最新作の『風立ちぬ』は、ここで指摘するまでもなく、戦前の経済情勢について綿密に描いている。

映画を見た後に、雑誌のインタビューを読んでいて納得がいった。宮崎監督は、大学生のときに財政学の講義で「戦争経済がどれほど国民経済を破壊するか」について学び、そして「経済とか社会とかいろんなものを抜きにして飛行機を語るのはくだらない」(『Cut』9月号)ことに気づいたという。僕が宮崎監督にぜひ聞きたいと思っていたのが、この言葉だった。

次ページ何で敵のロボットは週に1体?
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 山本シンヤが迫るクルマ開発者の本音
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • CSR企業総覧
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
15種類の「書き方」を徹底解説<br>無敵の文章術

ビジネスパーソンを中心に文章力の必要性が高まっています。在宅勤務における情報伝達手段として、メールやチャットは不可欠に。また精度の高い企画書はビジネスの成功に直結します。本特集ではシーンや目的別に、短期間でのスキル向上を目指します。

東洋経済education×ICT