「ジブリの呪い」炸裂でも、底固い米ドル ディーラー歴20年の達人が読む為替

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(撮影:梅谷 秀司)

先週、6日金曜の夜は、またもや「ジブリの呪い」が炸裂してしまった。

「ジブリの呪い」というのは、米ウォールストリートジャーナル(WSJ)でも報道されたが、金曜ロードショーでジブリ作品のアニメが放映されるときは、株式や為替市場が荒れるという「都市伝説」だ。この日はたまたま米雇用統計の発表と重なるために、変動がおこるのだろうが、WSJが報道したことで、ジブリ作品と市場の動きが注目されたが、もちろんこれは話のネタ以上の意味はない。

ジブリの呪い炸裂でも、ドルの下値固く

9月は日銀金融政策決定会合、ECB理事会、オリンピック開催地決定あたりまで終了したが、このあとも、日米でのメジャーSQなど、重要イベントが目白押しだ。もちろん「真打ち」は17、18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)。ここで、QE3(量的緩和第3弾)の縮小が始まるのかが、市場に大きな影響を与えそうだ。

さて、注目の8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者の増加数が16.9万人と、予想の18万人を下回った。それだけではなく、7月分が16.2万人から10.4万人に、6月分が18.8万人から17.2万人に下方修正されたことが、数字の悪さを際立たせた。また失業率は7.4%から7.3%に低下したものの、これは労働参加率の減少が要因で、いわば悪い失業率の低下となった。

この数字を受けて、ドル円は一時1ドル98円台半ばまで下落したが、終値は99円台前半、ニューヨークダウも一時100ドル超の下落になったが、6日の終値は14ドル98セント安で取引を終えた。そこに飛び込んできたニュースが、「2020年のオリンピック開催地、東京に決定」というニュースだ。米雇用統計、シリア問題など海外要因が日本株の重石になろうが、東京決定でこの悪材料を相殺して株高、円安の流れに変わるかもしれない。

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