「ジブリの呪い」炸裂でも、底固い米ドル ディーラー歴20年の達人が読む為替
東京オリンピックの経済効果は約3兆円という試算もあるが、2020年に向かって東京がインフラを整備して、一段と国際都市にふさわしい姿に変身していくというストーリーは、かなり期待できるのではないだろうか。もちろん、東京オリンピック自体の、為替に対しての影響はといえばニュートラルなのだが、株価と為替の連動性は高いので、株高は円安材料になるだろう。
ドル円は、5月22日に高値の103円70銭を示現した後に、6月16日に93円80銭の安値をつけた後は、三角保ち合いとなり、レンジ相場が続いていた。だが、9月2日に保ち合いの上限である99円付近を上方ブレークし、100円20銭付近まで上昇した。保ち合いの水準を上方にブレークしたことで、ドル円は、それまで95円~99円のレンジ相場だったが、これでドルの上昇トレンドに回帰したのではとの期待感があった。
だが、6日には、東京オリンピック決定が危ぶまれ、日経平均が200円以上下落すると、ドル円もあっさり99円台中盤に下落。その後、米雇用統計の弱い数字で、一時98円台中盤まで下落してしまった。
98円台に下値支持、101円50銭突破ならドル一段高も
もし東京オリンピックが決まらなければ、期待が大きかった分、株安になりドル円も再び95~99円のレンジに戻った可能性が高い。現在ドル円の保ち合いのドルの下限は98円50銭付近に位置しており、雇用統計後の下落でも、その付近がサポートされた。98円~98円50銭付近がサポートされれば、ドルは上昇トレンドを継続するものと思われる。
一方、日経平均株価をみると、5月23日の高値1万5739円98銭を示現した後の6月13日の安値1万2415円85銭の三角保ち合いの上限は1万4150円付近になっており、先週はこのレベルを超えられなかった。
それでもFRBの資産買い入れ縮小は遠からず開始されるために、日米金利差の拡大は今後も継続、これがドル高円安要因となって、中長期的にドル円をサポートするだろう。
東京オリンピック開催が決定したことで、9日は日本株が大幅に上昇、1万4205円で取引を終えた。日経平均が5月からの保ち合いの上限である1万4150円を完全に上抜けして、上昇トレンドが加速するようなら、ドル円、あるいはクロス円の上昇も加速するだろう。当面のドルの下限は前出の98円~98円50銭程度か。一方、上値の最初の「目標」は7月8日の戻り高値101円50銭付近。そこを上抜けできれば、再び5月22日の高値103円50銭付近を試しに行く展開になるのではないと思う。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら