いきなりで恐縮だが、読者のみなさんは「吉祥寺の母」という女性をご存じだろうか。「占いの世界で有名なのは『新宿の母』だ。『吉祥寺の母』などという名前は聞いたことがない」――そう思われているに違いない。
金融関係者が足しげく通う、「吉祥寺の母」とは?
だが、もし「そう思う」なら、それはみなさんが「わが国、そして世界の金融マーケットを渡り歩く、投資銀行やヘッジファンドの日本人最高幹部ではない」ことを意味する。なぜならば東京をベースに活動するこうした「越境する投資主体」で名うてのアセット・マネジャーの間で、「吉祥寺の母」の名を知らぬ者はいないからだ。
名前を聞けば誰もが知っている、これらの投資銀行やヘッジファンドの日本人最高幹部が、分刻みのスケジュールを調整してまで西東京の街・吉祥寺に足しげく通うというのだから驚きだ。
では、これらの百戦錬磨であるマーケットの猛者は「吉祥寺の母」から一体どんな教えを受けているのだろうか――そう疑問に思った私に対して、わが国において知らぬ者はいない米系投資銀行日本支社の「副会長」、すなわち日本人でトップまで上り詰めた人物が、こう教えてくれたことがある。
「原田さん、信じられないかもしれないけれども、彼女は名刺を差し出すだけでたちどころに言い当てるのですよ、その人の未来を。その場にいない人についてもピタリと当てるのですから驚きなのです」
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