日米欧は「金融新秩序」へ?
しかも、事は彼らの議論のように一国単位の話ではないのだ。そうしたわが国の「日常的な経済評論界」における現状を脇に追いやりつつ、私が読者にぜひしてもらいたいことがひとつだけある。それは「仮にあなたが世界のリーダーであるならば、この太陽嵐という“人智を超えた”究極の事態を迎えるかもしれないときに、とりわけマーケットで何を画策するか」という点である。
そう考えたときの答えはただひとつ。「量的緩和によってマネーの量が膨れに膨れ上がったものの、何ら解決されない金融メルトダウンを最終的に決着させること」である。アメリカのオバマ大統領であれば、天文学的な量となった連邦レヴェルでの公的債務をなきものとし、あわせて量的緩和(QE)をやめるだけではなく、まったく新しい通貨、そして経済体制への移行を宣言するはずだ。
あるいはドイツのメルケル首相であれば、このままでは永続的に膨らむ債務を抱えたギリシアなど南欧諸国との関係を、これを機に断ち切り、同時に「ユーロ」をやめ、まったく新しい通貨、通貨圏の創造へと突進し始めるはずだ。
そしてわが国の安倍晋三総理大臣であれば、公然とデフォルト宣言をするまでもなく、莫大な財政赤字を帳消しとし、他方で何らかの秘策を打ち出すことで、米欧との比較でわが国が優位であることを示し、一気に世界史の正面へと躍り出ようとするはずだ。
だが、事はそう簡単には進まない。「太陽嵐」が吹きすさぶそのタイミング(今年9~11月、ないし12月)で、ありとあらゆるリスクが「同時多発的」に炸裂するのであるから。それでは最後に、いったい、その中で誰が生き残るのか。――世界史のエンドゲームはもう始まっているのだ。
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