秋の市場の波乱に備えた「日米密約説」とは? 米国の出口戦略は、チャイナリスクの行方次第

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
米国の株価は過去最高値を更新中。リーマンショックから間もなく5年、ようやく米国経済に回復の兆しが見えてきました。そして景気の回復とともに注目されるのが、FRB(米連邦準備制度理事会)が、いつ出口戦略に着手するのか、ということ。9月有力説がある一方で、一部からは「QE4ever」(Forever、量的緩和は永遠に)などと揶揄する声も聞こえてくるなか、出口戦略の行方はいかに?
FRBのバーナンキ議長は「引き際の美学」にこだわっているのだろうか(ロイター/アフロ)

米国の金融緩和は永遠に続く?

渋澤 先日、米国から議会のスタッフの視察団が来日してきてね、そのお世話をしていたんだけど、米国景気の現状はどうか聞いてみたんだ。最近、ようやく雇用も上向いてきたし、一部では金融緩和のペースを少し緩めるって話も出ているし、ちょっと気になるところでしょ。

中野 なんて言ってました?

渋澤 確かにリーマンショックがあった2008年に比べると良くなっているのは事実。ただ、ガッと勢い良く回復しているという実感はない。出口戦略については、「まだ当分はないんじゃない?」という意見もあった。QEは永遠に続くという皮肉で、QE4everなんて言葉も出ていたくらいだから(笑)。

中野 私はバーナンキFRB議長が出口シナリオを口にしたことで、うまくQE3のバブルの火を消したんじゃないかと評価していたんですが、出口シナリオはありませんか。なるほど。まあ、最近の米国景気を見ていると、良いが2で、悪いが1という感じですよね。上向きにはなっているけれども、はしゃぐほど良くはない。QE3をここで止める必要はないでしょう。

次ページ米国は絶好調にはほど遠いが、それが幸いしている
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事