電車の遅延が増えている。鉄道運行情報を配信するレスキューナウ社の協力で東洋経済が独自調査を行ったところ、2012年の首都圏における運休や遅延の件数は6143件。5年前の1.9倍に拡大した。今年も昨年を上回るペースで増えている。
路線別では湘南新宿ラインや京浜東北線の年間遅延発生件数は200件を超える。つまり、平常運行している日のほうが少ないということになる。
原因別で見ると、最も多いのが人身事故。ホームへの転落や飛び込み自殺などが含まれる。
これらへの対策としてもっとも有効なのがホームドア(可動式ホームさく)の設置だ。
東京メトロでは丸ノ内線や副都心線などで導入が進み、山手線でも一部の駅での設置が始まった。
ただ、こうした現行のホームドアの設置には、いくつかの制約がある。
最大の制約は、列車によって車両の長さやドアの数が異なることだ。丸ノ内線や山手線は車両が統一されているのでホームドアを設置しやすいが、相互直通運転をしている私鉄では、列車によって1両のドアの数が3つだったり、4つだったりする。そのため、列車によっては、列車のドアの場所とホームドアの扉の場所が一致しないのだ。
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