大人計画、「あまちゃん」後の計画は? 売り込みの名手、長坂まき子社長に聞く(下)
「それはムリです」と劇団のおカネの管理を改善
――長坂社長が91年の作品「サエキナイト」で制作として、大人計画にかかわり始めた当初、役者はアルバイトをして劇団の維持費を払っている状況だったと聞きます。劇団のおカネの管理をどうやって改善していったのですか。
客席が満員になっても、これくらいの収入にしかならないというのはわかっているわけです。それで予算はある程度みえる。美術費が30万円しか出せないなとわかれば、「この床をもっとゴージャスな素材にしたい」と言われても、「それはムリです」と言う。すごく単純なこと。それが言えるかどうか。「どうしてもこれが必要」と言われ、「そうか」と思っちゃったら赤字になる。
――それ以降は赤字の出るような公演はほとんどなくなったようですね。2006年9月の「大人計画フェスティバル」(東京・多摩市の廃校で3日にわたって開催)は“意味のある赤字”公演だったと聞きましたが。
当時、うちの中では若手だった近藤公園とか、平岩紙とか、星野源とか。すごく面白い発想もあり実力もあるのに、何となく松尾(スズキ)とか宮藤(官九郎)とか阿部(サダヲ)とかの印象だけが強いというのは、すごくもったいないなと思って。それぞれがこれだけのことができるというのは絶対見せたいと思って開催しました。
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