大人計画、「あまちゃん」後の計画は?

売り込みの名手、長坂まき子社長に聞く(下)

外部の公演にも引っ張りだこ

大人計画の本公演は、「大人計画フェスティバル」前後から1~2年に1本のペースでつくられている。「イケニエの人」(2004年)、「まとまったお金の唄」(06年)、「ドブの輝き」(07年)、「サッちゃんの明日」(09年)と新作が続き、再演の「母を逃がす」(10年)を挟み、「ウェルカム・ニッポン」(12年)と続いた。いずれのチケットも入手困難を極めた。
これとは別に、同社で制作するさまざまなユニットがある。松尾スズキの作・演出では、毎回外部からの豪華な出演陣も話題となる日本総合悲劇協会で、「ドライブインカリフォルニア」(1996年)を皮切りに、「ふくすけ」(98年)、「業音」(2002年)、そして再び「ドライブインカリフォルニア」(04年)と傑作を生み続けた。宮藤官九郎作・演出のユニットであるウーマンリブも、「ナオミの夢」(96年)から最新作「サッドソング・フォー・アグリードーター」(11年)まですでに12回の公演を数え、人気が定着している。
99年当時の阿部サダヲ(左)と宮藤官九郎(右)

――大人計画の役者は、本公演や各種のユニットのみならず、外部のいろいろな劇団やプロデュース公演からも引っ張りだこの状況です。

昔は本公演には劇団員全員が出演してましたが、今は必ずしもそうではないですね。劇団員十何人が出演する作品を書きたいか、書けるかというとどうか。毎回同じメンバーで同じ人数でということじゃなくても、いいんじゃないのかなと、「生きているし死んでいるし」(本多劇場での公演、1997年)あたりの時点からは思ってましたね。

――大人計画は、松尾さんと宮藤さんという、2人の脚本作家がいる珍しい劇団です。しかも、演劇界の芥川賞といわれる岸田戯曲賞をいずれも受賞。松尾さんは「ファンキー!」、宮藤さんは「鈍獣」が受賞作となった。

劇団に2人作家がいるというのは、そんなにはないですよね。もともと、宮藤が松尾の演出助手で大人計画に入ってきてますから、一緒に書いていたこともあります。松尾が口立てた(口頭で芝居をつくった)ものを文字に起こしたり、そういう時代もありました。

――役者では阿部サダヲさんが最も売れています。民放テレビでは「マルモのおきて」(2011年)で初主演。映画でも、昨年公開の「夢売るふたり」(西川美和監督)や、6月8日公開の「奇跡のリンゴ」、さらには9月公開予定の「謝罪の王様」(宮藤官九郎脚本)で主演しています。今後、大人計画の役者にはどんな役をやらせたいと思っていますか。

もちろんこうやらせたら、すごくはまるという俳優もいますけれど、偏らずにやりたいですよね。コメディの笑わせる役もやってほしいですし、すごくシリアスな役もできる。全員が幅のある状態になるといいなと思います。「この人といえばコメディでしょ」とはならずに、イメージが固まらない役をやっていけるといいなと、ずっと思っています。

(若手で台頭著しい)平岩紙は話していて面白い人なので、どんどん広がると思う。あと、どんどん前向きになっていく人だなと。自信がついてきてるんですかね。それはすごくいいことだと思います。自分で企画して舞台をやろうと準備中で、自分からやろうと動くメンバーはすごく久しぶりです。

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