パワハラ上司に悩む女性を救った2つの言葉 被害から抜け出す近道は仲間を見つけること

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理不尽なパワハラ被害にあったらどうすればいい?(写真: Graphs / PIXTA)

女子レスリングで五輪4連覇中の伊調馨(いちょう・かおり)選手をめぐるパワハラ騒動が一旦収束した。当初、伊調選手とパワハラを告発された日本レスリング協会の栄和人(さかえ・かずひと)強化本部長の言い分の食い違いから、問題は紛糾。しかし、弁護士による第三者委員会の調査報告によって4月6日、同協会は栄氏による伊調選手へのパワハラがあった事実を認めた。

これは、決してスポーツ界だけの問題ではない。昨今パワハラは「森友学園問題」や「電通過労死自殺」なども含め取り沙汰されており、かつ行政機関へのパワハラ被害者による相談件数は毎年増加している。

ウェブ業界、出版業界では年長者(44歳)に当たる私もこれまで、さまざまな若い会社員やフリーランス(個人事業主)からパワハラ被害の相談を受けてきた。

私が受ける相談のほとんどは、「上司や先輩(あるいは仕事の発注主)からキツイ扱いを受ける」といった内容で、自殺を考えたりするほど深刻なものは少ない。ある程度、つらい気持ちをさらけ出した時点で落ち着く相談者が多い。一方、本格的に悩んでおり、「もう耐えられないのでやめたいです!」という状況を訴えられたら、「そんな仕事なら、やめてもいい」と後押しすることもある。

本稿では、パワハラに悩む人たちの一助となるべく、実際に私が受けた相談事例をもとに、その対応策を紹介したい。ちなみに、正社員とフリーランスではパワハラの対応策も異なるため、そこは分けて解説する。

「女性の容姿」を理由に指導するパワハラ上司

これは都内のIT企業で働く20代女性からの相談である。彼女は仕事において少し間の抜けたところがあった。それをよく思わなかった上司は、彼女を頻繁に会議室に呼び出し、2人きりの状態でひたすら指導を続けた。

その内容は、「取引先との電話の仕方が軽々しく見えるから直せ」というものや、「君の容姿や女性的魅力のせいで取引先のチェック機能が甘くなり、逆にクレームが発生した」といったもの。電話についてはまだ納得できるものの、彼女の容姿がきっかけでクレームにつながったというのは、かなり無理があるのではないか。そんな無茶苦茶な指導が何カ月にもわたって続いたせいで疲弊した彼女は、私にどうすればいいか相談してきた。

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