カンタス「17時間直行便」で起きていること 飛んでいる間じゅう、ずっと真っ暗

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パース発ロンドン行きも概ねこのトレンドに沿ったスケジュール設定になっており、夕方7時前に出発、マレー半島の南側上空を深夜0時ごろ通過し、ロンドン着は朝の5時だ(時刻はいずれも現地時間)。

あえてエコノミークラスに搭乗した記者のルイスさんは、「飛び立って12時間を過ぎたころから背中の痛みがひどくなった。飛行機を降りて歩くのにフラフラ、少しでも早く横になりたい」と訴える。ところが、朝の5時に着いてホテルに直行したところで、チェックイン開始まで半日以上もある。日本からのハワイ旅行で「飛行機を降りてから、ホテルに入るまでの観光の時間が辛い」という話を聞くが、その状況とは比べ物にならない厳しさが待っている。

17時間あれば、「映画が7~8本みられる」とか、「ビートルズの全アルバムがおよそ2回ずつ聞ける」とかいった例えもあるが、「ハリー・ポッターの映画全作が一気にみられるといっても、少しも嬉しくない」

機内食には水分摂取量を多くした工夫も

17時間超のフライトを飛ばすに当たり、カンタス航空はさまざまな工夫を凝らしている。使用機材の「787ドリームライナー」の機内気圧は、だいたい標高1900メートル付近と同等とされ、従来機の2400メートル相当と比べ、身体に与える影響はより小さくて済む。

長時間フライト用に「水分の摂取量」を多くしたという機内食。効果のほどは如何なものか?(写真:カンタス航空提供)

「長距離フライトの時は、水分をよりしっかり摂るように」とさまざまなところでそういった案内を目にするが、機内でトイレに行くのが面倒といった理由で、普段よりむしろ控え目にする人もいるだろう。

そんな中、カンタスは今回の英豪直行便就航に際し、シドニー大学とともに、より水分がたくさん取れるレシピを開発。フライトでの体調維持に役立つメニューを提供している。とはいえ、フルーツが多めで「腹持ちがあまり良いものではなかった(搭乗したKwongさん)」というコメントもあり、今後改良の余地がありそうだ。

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