カンタス「17時間直行便」で起きていること 飛んでいる間じゅう、ずっと真っ暗

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「初の英豪直行便」として空港職員らに盛大に見送られるカンタス航空の特別塗装機(写真:カンタス航空提供)

「カンガルールート」と呼ばれる、英国―豪州間の航空路が開かれて今年で70年あまり。航空会社各社が様々な乗り継ぎルートを開拓し、顧客獲得にいそしんで来たが、その勝負に決着をつけるべく、豪カンタス航空がついに英豪間の無着陸フライトの運航を開始した。飛行時間17時間超、距離1万5000キロメートルと記録ずくめのこの便、はたして機内ではどんなことが起こっているのだろうか。

航空業界では毎年、欧州の夏時間実施と同時にダイヤ改正が行われる。カンタスの英豪間直行便の初便は、新ダイヤ開始となる3月25日にロンドンを折り返すという設定で組まれたため、オーストラリアからの出発は1日早い24日の就航となった。

使用機材はボーイング社製「787ドリームライナー」だ。飛行時間17時間20分、距離1万4498キロメートル、燃料消費が10万リットルに及ぶ英豪直行便の就航に当たり、限られた燃料でより遠くに飛ばすための工夫として、座席数は236席と、同型機平均の300席強と比べ大幅に減らしている。

ちなみに飛行距離で見ると同便は最長距離番付でカタール航空が運航するドーハ―オークランド便の1万4535キロに及ばないものの、同便は最長距離番付では3位にとどまるが、英国とオーストラリアとの人的交流は頻繁で、2国間を直行させることが航空会社にとっても、航空機メーカーにとっても大きな目標だった。

それだけに、2016年暮れに運航が決定して以来、英国では「あの英豪便、飛ぶのが楽しみだよね」「僕は17時間なんてファーストクラスでも嫌だよ」といったような形で飛行機バナシのネタになることがけっこう多かった。そんな注目を浴びる中、いよいよこの春、満を持しての登場となったわけである。

「乗り継ぎ」は誰にとっても面倒なもの

日本人の海外旅行の傾向として、「乗り継ぎ便だと、海外空港で何か起こった際、言葉が通じないと困る」「目的地までとにかくたどり着きたい」などの理由で、より直行便を好むようだ。実際に、英国に来る日本人の初回訪問者にランダムに尋ねてみると、添乗員のいない個人旅行者のほとんどが直行便で飛んで来る。「12時間飛びっぱなしより、途中で一旦どこかで降りたほうが楽じゃないですか?」と振ってみても、ほぼ100%の人が「いえ、そんな面倒なことは嫌」と否定する。

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