近年は世界でスピード化が進み、長距離レースが軽視される傾向にある。日本が模範としたイギリスは1970年のニジンスキー以来、三冠馬は出ていない。約3000mの距離を嫌って超一流馬の参戦が見られなくなっている。
2012年にキャメロットが三冠に挑んで話題となったが2着に敗れている。日本は昨年のダービー馬レイデオロがトライアルの神戸新聞杯を勝ちながら菊花賞を回避したように3000mの長丁場を使わない有力馬も増えている。
それでも京都競馬場の3、4コーナーの坂を2回越える3000mの舞台は人馬の駆け引きも含めて根強い人気があり見応えもある。だからこそ「菊花賞は最も強い馬が勝つ」と言われたのだ。秋の美しい京都の舞台がまた魅力的で、菊花賞は筆者も好きなレースである。ミスターシービーが向こう正面でまくった時や、ナリタブライアンが圧巻の強さを見せた時など三冠誕生の強烈な印象とともに忘れられないレースだ。
クラシックは種牡馬選定競走の性質もあり、長い間、内国産馬同士で争われてきた。1995年には地方馬にも門戸は開かれた。その1995年にはライデンリーダーがトライアルの4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)を制して出走権を獲得し桜花賞に挑み1番人気になったが4着。オークスも1番人気になったが13着に敗れた。2004年にはホッカイドウ競馬のコスモバルクが旋風を巻き起こし弥生賞制覇後、三冠すべてに出走したが皐月賞2着、ダービー8着、菊花賞4着とタイトルには届かなかった。
2010年から外国馬がすべて出走可能に
国際化の波で2001年からダービーと菊花賞、2002年から皐月賞、2003年からオークス、2004年から桜花賞が外国産馬に開放された。2010年からはクラシックすべてに外国調教馬が出走可能となった。
外国産馬でクラシックを制したのは2007年オークスのローブデコルテ1頭だけ。牡馬は2002年にシンボリクリスエスがダービーで2着になったが、まだ1頭も勝っていない。外国調教馬に門戸が開かれたものの日本のクラシックに外国調教馬が出走したケースはまだ1頭もない。
同時期に本国でもクラシックがあるのだからわざわざ遠征してくる馬はいないということだろう。日本馬のレベルも高くなっておりジャパンCですら外国馬が勝てなくなっているのだから、クラシックに挑む馬がいないのも当然ということかもしれない。
クラシックには通常、出走までに3回の登録が必要だ。今年のクラシックへの第1回登録は2017年10月27日正午締め切りでダービーには1274頭が登録している。第2回登録は2018年1月26日正午締め切りで672頭が登録している。第3回はレースの2週間前で今年のダービーは5月13日だ。
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