春競馬開幕「クラシックレース」の楽しみ方 国内クラシックは他レースと何が違うのか

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牝馬は、以前はエリザベス女王杯、エリザベス女王杯が古馬混合になってからは秋華賞を加えて牝馬3冠と呼ばれるが、クラシックは桜花賞とオークスだけで、後発の秋華賞やエリザベス女王杯はクラシックには含まれない。このクラシックに天皇賞・春、天皇賞・秋、有馬記念を加えたのが「8大競走」だ。1984年にグレード制を導入する以前のビッグレースはこの8レースだけだったと言っていい。

2001年から現在の満年齢表記となる以前は競走馬は数え年で表記していたために「4歳クラシック」と呼ばれることが多かった。現在では「3歳クラシック」である。

競走馬が生まれた時からすべての関係者が世代の頂点となるダービーを目指す。一生に一度の舞台に出走することだけでもステータスである。以前はフルゲートの頭数も多く1953年のダービーに33頭が出走したのが最高だ。

1973年のハイセイコー人気に沸いたダービーは28頭。20頭以上が出走するのは当たり前だった。ダービーが20頭以上で行われたのは1991年が最後。20頭立てで大外20番枠に入ったトウカイテイオーが勝った。

1992年からフルゲートは18頭になった。現在はダービーに出走するだけでも大変な時代になったといえるだろう。それだけダービーは特別な舞台だ。

現在は1着馬にGⅠ出走権が与えられるレースが増えたが、クラシック5レースと秋華賞だけは上位入線馬に本番の優先出走権が与えられるレースが多く組まれている。トライアルから有力馬が次々と激突するから3歳戦は面白いのである。

三冠馬はこれまで7頭誕生している

古くから三冠レースを例えて「皐月賞は最も速い馬が、ダービーは最も運に恵まれた馬が、菊花賞は最も強い馬が勝つ」と言われる。

中央競馬で皐月賞、ダービー、菊花賞すべてを制した「三冠馬」は1941年のセントライト、1964年のシンザン、1983年のミスターシービー、1984年のシンボリルドルフ、1994年のナリタブライアン、2005年のディープインパクト、2011年のオルフェーヴルと7頭誕生している。

春の二冠馬が無事に菊花賞に挑んだのは15頭で三冠を達成したのは半数以下だ。このうち無敗で三冠の偉業を達成したのはシンボリルドルフとディープインパクトの2頭しかいない。

ちなみに牝馬三冠を達成したのは1986年に桜花賞、オークス、エリザベス女王杯を制したメジロラモーヌと、桜花賞、オークス、秋華賞を制した2003年スティルインラブ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナの4頭がいる。

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