子どもの本音をあぶり出す「家族会議」の効果 家族とちゃんと話せていますか?

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「おばあちゃんが引っ越す朝、ちゃんとバイバイしないで、保育園に行ってる間にいなくなった。だから本当は、わたしは怒ってる。お父さんとお母さんとおばあちゃんとおじいちゃんに怒ってる」という1年以上幼心にいだいていた喪失感を話してくれたこともよかった。

家族会議によって子どもたちは、大人でも手に負えない自分の不機嫌やマイナスの感情を冷静に分析できるようになった上、まだ会議にしっかり参加できないだろうと思っていた未就学児の娘から引き出される言葉が、大人のコミュニケーションのあり方を考えさせてくれるようになった。

ホワイトボード導入の効果

最近、わが家にはスタンド式のホワイトボードが導入された。白いボードに、誰かが思いついた議題や質問を書く。「週末行きたいところは?」「今度の旅行で持っていくもの」「嫌いな人って誰?」空いた時間に、誰かが答えを書き、ちょっとした隙間時間に会議をする。

会議を開かなくても、子どもたちが自分の気になることを突然書き出すことがある。この時は「数カ月前に見かけた、駅前で怒鳴っていた人のこと」を娘が打ち明けた。親は「その人が怒鳴ってるのには理由があったのかもね」とフォロー(筆者撮影)

子どもたちが「聞いて」と言ってくれることが嬉しい。子どもの声を聴くことの面白さを、家族会議は教えてくれる。

ほかの家族はどんな風に対話をしているんだろう? 純粋に知りたくて、周りに会議をやっている人がいないか探してみると、意外にも「うちでは前からやっている」「最近始めたらすごく面白い」「やってみたいとずっと思っていた」などさまざまな声が聞かれる。

家の中で、夫婦や子どもが素直な気持ちをきちんと話すことができる、問題を解決しようと一緒に考えられる時間があることは、たとえ、すぐに問題が解決しないとしても、ものすごく大切なことを教えてくれるのではないか。

コミュニケーションで悩んでいたわが家が少しずつ変わっていったように、「会議」のやり方を変えてみれば、もっと面白い対話ができるのではないか。そんなふうに私の家族会議研究の旅は始まった。

玉居子 泰子 編集者、ライター

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たまいこ やすこ / Yasuko Tamaiko

1979年生まれ。東京外国語大学卒業後早川書房に入社。主に翻訳書籍の編集を行う。 2005年にベトナムに移住すると同時にフリーランスに。編集・翻訳・ライター業のほか企業通訳を務める。2007年帰国後もフリーで活動を続ける。テーマは、育児・教育、妊娠・出産、育児の悩み、家族のコミュニケーションなど。主な寄稿先は『AERA』、『東京人』、『クーヨン』、『FRaU』、日経DUAL、JBpress、soar-worldなど。過去の仕事一覧はこちら
 

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