「葬儀の平均費用195万円」が怪しすぎる理由

信憑性に欠ける数字を濫用するメディアたち

なぜネットやテレビの紹介する平均費用は信用できないのか?(写真:akiyoko/ PIXTA)

「葬儀の費用って、いくらですか?」

葬儀会社の社員として働く私は、毎日のように葬儀にまつわる質問を受けます。その中で最も聞かれるのが冒頭の質問です。約20年間、1000件以上の葬儀のお手伝いをしてきましたが、正直、この質問に答えるのは難しい。

たとえば引っ越しを検討する際、土地や間取りなど希望の条件がわからなければ、目安となる家賃を導けません。葬儀についても同様で、おおよその費用を導くためには希望の「式場」や「弔問客の数」「故人の宗教」といった情報を把握する必要があります。

ところが引っ越しと違って葬儀の場合、お客さんは上記のような条件を把握していないケースがほとんど。さらに家族が亡くなった直後に葬儀の準備を始めるケースが多いため、十分に事前知識を得る余裕がなく、結果、冒頭のような質問をする方が後を絶たないわけです。

ネットやテレビの「葬儀の平均費用」は怪しい

さて、そんな方々がよく参考にするのがネットやテレビで紹介される「葬儀の平均費用」です。読者の中には、過去にスマホで「葬儀費用」「葬儀 平均費用」と検索された方や、テレビや雑誌の「終活特集」をきっかけに葬儀の平均費用を知った方もいるでしょう。

スマホで「葬儀費用」と検索した際、Googleの上位に表示されるページ(2018年3月20日時点)

検索エンジンで上位に表示される葬儀情報サイトの多くは、葬儀全体の平均費用は195万~200万円程度と紹介しています。同様に、テレビ番組でもそれに近い数字を平均費用として紹介しています(中には120万円程度と紹介するサイトや番組もありますが、通夜の飲食費やお寺へのお布施を差し引いた金額なので注意してください)。

しかしこの金額、実はかなり怪しい。葬儀の現場で働く人間としては、実際の全国的な平均費用は135万円前後(お布施を含んだ額)が妥当と考えます。都市部で増えている身内や親しい友人だけで執り行う20人規模の「家族葬」や、全国的にはまだまだ根強い友人、知人が参列する100人程度の「一般葬」を執り行うにしても、これくらいの金額でしょう。

なぜ4割も上振れした数字が紹介されているのでしょうか。

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